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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


結局それぞれのお料理に合うお酒を出してもらって、伊勢海老も多めに食べて、びっくりするくらいおいしいお肉をお刺身やお寿司で食べたり、串焼きにしてもらったりしてすっごくたくさん食べた。

デザートに烏骨鶏の卵で作ったプリンも食べて本当に満腹だった


「お腹いっぱい」

「もう何もいらねぇか?」

「うん。もうお腹いっぱい。青峰君は?」

「俺も結構食った」


最後にお茶を出してもらってちびちび飲んでると、青峰君がトイレに立ったから店員さんを呼んでお会計をすることにした。

こうでもしなきゃ絶対に出させてくれない。


「はい」

「お会計をお願いします」

「あ、もう頂いてますんで大丈夫ですよ」

「え!?」

「はい。頂いてます」

「あ…そうですか」


納得できないあたしに背を向けて出て行った店員さんと入れ違いに青峰君が戻って来た。

「なんかあったか?」

「ん…あたしお会計したかったのに、もうもらってるって言われたの」

「またお前は…俺とメシ食う時は俺が出す」

「だって毎回そうじゃん」

「それでいいんだよ。俺が誘ってんだから俺が出すのが普通だろ」

「そんな普通聞いたことないっ」

「なら俺とお前はそれが普通ってことでいいだろ。外食は俺が出す。もし家で食うことがあればみさきが作ってくれりゃそれでチャラだ」

また甘やかされてる。ホント罰が当たりそう。

「あの、ホントありがとう」



お店を出てランドマーク周辺をゆっくり回ってもらうと大きな観覧車のライトがパッと消えた

「日付変わっちゃったね」

「だな。戻るか…ちょっと遅くなっちまったから眠きゃ寝ろ」

「寝ないよ」

せっかく青峰君といるのにあたしだけ寝るなんて勿体ない。
ぎゅってしてもらえるなら寝るのも勿体なくないけど一人だけ寝るのはなんかヤダ


信号で止まる度にあたしの頭を撫でてくれて優しい顔を向けてくれた


「無理するなよ」

無理なんてしてない
あたしがそうしたいの
寝ることがすっごく好きなのは変わらないけど、青峰君と過ごせるのは寝るよりも好きな時間


体重のことも手術の恐怖も、青峰君といるときだけは忘れられる。
青峰君を好きになったことであたしは少しだけ強くなれた気がする



だから……


だからあたしは、何度あいつに邪魔をされても自分の人生を諦めたりしない
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