第5章 色褪せない想い
「テツくんも今お仕事忙しくってお盆明けに2泊で行くのー♡♡」
「いいなー。ほんとラブラブだよね」
「みさきだって作ろうと思えばすぐ彼氏できるのにー。もしみさきに彼氏ができたら美緒ときーちゃんも誘ってどっか旅行でもしよ」
「え?!っ…あ…そ、だね…」
どうしよ…
咄嗟の事で変な反応しちゃった…
「ねぇ、変な事いうようだけど、みさきって、もしかして男の人苦手?」
え…バレてるの?
それとも、何か知ってる?
心臓がドキドキして指先までドクドクと脈が伝わって、何も言葉が出せなくなくて呼吸が浅くなっていく
「話したくないなら無理に聞かない。でもあたしは何があってもみさきの友達だからね。これだけは絶対変わらないから」
無意識に涙が溢れた。
あたしはきっとさつきも美緒も信じてるって思いながら、知られたら友達でいられなくなるんじゃないかって不安が拭いきれなかった
めんどくさい子とか弱い子って思われるんじゃないかって怖かった
「さつき…ありがと…」
「何言ってんの!友達なんだから当たり前でしょ」
涙を落ち着かせてからさつきを降ろしてマンションに帰ると、大我が出迎えてくれてあたしの顔を見てびっくりしてる。
「どうした!?なんかあったか?!」
「あったけど、別に悪いことじゃないから大丈夫」
「なんだよ…びっくりさせんな。泣いて帰ってきたら悪いことだと思うだろ」
大我がこんなに心配症になったのは多分あの時から
だから心配かけたくなくてさつきに言われた事を話した
「桃井は高校の時から勘が鋭かったからな。お前みたいに隠すのが下手なやつだと色々とわかりやすいかもな」
「え、さつきって昔から鋭かったんだ。今日青峰さんの事ちょっとさつきと話したんだけど、もしかしてなんか勘づかれたかな?」
「それは分かんねーけど可能性は高ぇな。お前バレバレだからな」
呆れたような面白がるような言い方に、そんな事ないもんって反論したかったけど事実大我には初めからバレてた訳で言葉に詰まる
「まぁ、桃井は応援してくれるんじゃねーの?」
「や、ただのあたしの片想いに応援も何もないでしょ。それにバレたら恥ずかしすぎるからもうさつきの前では青峰さんの事話さないようにする」
「手遅れだ」
そんな…はっきり言わないでよ…