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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


みさきの食いたいものがエビと肉だったお陰で予約の店がそのまま使えそうだったけど、予約まで少し時間があるからドライブに連れてくことにした。

店も横浜だし夜景が好きなみさきが景色を楽しめるように、下道でそっち方面にゆっくり向かう。


「わーすっごく綺麗。いつも運転する係だからゆっくり見れるのってあんまりないかも」

「時間あるから少し降りるか?」

脚は心配だったけど、日常生活で悪化するってことはねぇらしいし、散歩も夜景も好きなのに手術までゆっくりする時間もない程忙しいみさきに好きなことを少しでもやらせてやりたかった。

「うん!」

嬉しそうに笑うとこがすげぇ可愛い


脚に負担にならねぇ程度に少しだけ歩いてから車に戻って、予約した店に向かった。



店に着くと、名前を言うまでもなくすぐに奥の個室に案内されてドリンクメニューと食事のメニューが置かれて今日入荷してるお勧めがかかれた板を渡された。


店員が下がるとその板を見てみさきがめちゃくちゃがっかりした顔をして俺を見てくる。

「伊勢海老…今日の終わっちゃったんだって…」

すげぇ分かりやすいな…
明らかに落胆して眉を下げてる。

「予約したときに頼んであるから大丈夫だ。好きなように調理してくれるらしいから決まったら店員に伝えりゃ出してくれる」


「え!?予約してくれてあったの?」

「一応な。でもお前が他のものが食いたかったらキャンセルするつもりだった」

「先に言ってくれたら良かったのに…なんかいつも本当にありがとう」

「少し体重増やすんだろ?好きな物食って増やす方が効率がいい」


火神からみさきの事を聞いて体重を増やさなきゃいけねぇことを知ったとき、バランスもそうだけど、それなりに量も食わねぇと2か月弱で4キロ増やすのはみさきの体質的に無理がある。
だから好きな物を好きなように食べて、少しでもストレスにならねぇようにしたかった。

「そうかも。4キロも増やすなんて未知数なんだけどあたし鏡餅みたいになっちゃったらどうしよう」

ならねーよ(笑)
鏡餅になるなら40キロは太らなきゃ無理だ。
むしろ4キロ増やしてもまだ痩せてる。

「鏡餅になっても無事に手術が終わればそれでいい」

それより大事なことなんて何もない。
みさきがめちゃくちゃ太ろうが無事に戻ってくれるならそれ以上望むことなんて俺にはない
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