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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


俺の心配をよそに、あっという間にお袋と仲良くなったネロを構ってると、うるせぇ金髪から電話が入った。


「あー?お前今日結婚式だろ。何の用だ」

「いいんスか?そんなこと言って。今日みさきっちお迎え来るんすよね」

「昨日もそう言っただろ」

「飯行かねぇんスか?」

「はぁ?今日行く」

なんでこのドンピシャなタイミングで聞いてくんだよ。
黄瀬は普段はマジでバカなのに恋愛のこととなると異常な嗅覚だな…

「青峰っちこっちのお店知らないっしょ?いいお店あるんスよ」

確かにこっちで店なんてほとんど分かんねぇから、みさきに聞いて行きてぇとこに行くつもりだった。

「そこ何があんの?」

「なんでもうまいっスよ。個室もあるし、運がよければ伊勢エビも出してくれる。みさきっちエビ好きだって美緒が言ってたからお勧めっス」

うるせぇ金髪とか思って悪かった。
すげぇいいタイミングだわ。

「ワリィけど…」

「店のURL送るっス。当日予約ならネットでできるし伊勢海老あるかも分かるっスよ」

「あぁ。ワリィな」

「応援してるっス!」

いつも通りの軽い口調で電話を切って、直後にメッセージが送られてきたからURLをタップして店のサイトをチェックした。


メニューの本日の入荷情報を見ると、伊勢海老となんかの魚と牛肉の希少部位が入ってるらしかった。

ここなら何でもありそうだしいいかもな…

中華とかイタリアンとか言われたら全然違げぇけど、1時間前までならキャンセルできるみてぇだし、少し遅めにしてみさきと合流してから聞いて他のがよさそうならキャンセルするか…

予約の専用ページから伊勢海老と個室を指定して予約を入れると“完了しました”の文字。


取り敢えず食いっぱぐれはなさそうだしこれでいいな。


俺がスマホをいじるのをやめるのを待ってたかのようにネロが散歩に誘ってくるから、連れて行こうとしたらまたお袋がうるせぇことを言いだした

「あーあ。さっちゃんは彼氏できてデートだって言ってお出かけして行ったのに、大輝はネロのお散歩でお出掛けねぇ…ネロの方が早く彼女ができそうだわね」

「チッ……っせぇな」


今朝ネロをトイレに連れて行ったら向かいの無駄吠えする犬はメスだったらしく、ネロと鼻をつけて挨拶してキュンキュン鼻を鳴らしてたのを外にいたお袋が見てたらしい。
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