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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


びっくりした…

でも怖かったんじゃなくてすっごくドキドキした。

結構ハグとかはしてるけど、いつもと場所が違うせいかすっごくドキドキした。

「あ、ありがとゴザイマス」

いつもならシートベルトを忘れるなんてないけど、青峰君が優しく笑ってくれるからついついボケっと見惚れてしまっていた。

「ははっ!お前のカタコト久しぶりに聞いた。出していいか?」

「うん。お願いします」


あたしがそう言うと大きな手がダイアルを回して、車がパーキングからドライブに切り替わってゆっくりと走りだした。

青峰君の運転はいつも安全運転で怖かったことは一度もない。
さすがに真太郎みたいに制限速度厳守ってことはないけど、むやみに飛ばしたりしないから自分では気づかなかったお店とか発見できる。


「何食いたい?」

「うーん…ごはん‼」

「それは分かってる(笑)エビとか肉とか魚とかなんか食いたい物は?」

エビはいつでも食べたいけど、今日はお魚よりお肉食べたい。
でも青峰君が食べたい物を一緒に食べたい

「青峰君は?」

「お前のメシ…って言いてぇとこだけど今日は外にしようぜ。エビでもなんでもいいからお前が食いたい物は?」

優しすぎ…なんでこんなに優しいの?
あたしのご飯なんて全然大したものじゃないのに、お世辞でも嬉しい

「じゃあね、エビとお肉食べたい」

「個室の方が落ち着けるだろ?」

「うん…」

青峰君といると嫌って程周りの目が気になる。
他に友達もいれば全然いいけど、二人でいるところはなるべく見られたくない。

あたしが彼女だなんて思われないって分かってるけど、それを他人から突き付けられるのはさすがに傷つく

「俺も個室のが安心できる。黄瀬がおすすめの店だから変なのはいねぇと思うけど、最近は隠し撮りとかあって知らねぇとこで写真流れちまうからな。お前の仕事に差し支えんのは避けてぇ」

「いつもありがとう」

「俺のせいで不自由させるんだから、お前は気にしなくていいんだよ」

青峰君はきっと撮られたとしても今と何も変わらないのに、あたしが気にしなくていいようにそうしてくれて、それをあたしが気にしなくていいようにそう言ってくれる。

本当に優しくて好きな気持ちがどんどん大きくなっていく





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