• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


俺のマネの結婚式でみさきっちがメイクをすることになってたから、もし帰りが大変なら俺が送ろうと思ってたし美緒にもそうしてあげてって言われてた。

社長と挨拶をしてから隅っこで目立たないようにこっそりそれを伝えると、明らかに頬を赤くしてやんわりと断ってくるからすぐに理由は分かった。


「日本にいる間はしてくれるって…もうホントすみませんって感じ」って言って眉を下げてるけど、青峰っちに会えることが嬉しいのか口元は少し笑ってる。


送り迎えは昨日だけの話かと思ってたけど違うんスね。これは邪魔できない。

「してくれるって言うなら甘えちゃえばいいんスよ。それにいつもは海外にいる好きな人に会える貴重な時間ッスよ」


てか、あの青峰っちが送り迎えねぇ
脚のことがあるからだってのもあるかもしれないけど、多分それがなくてもやってただろうな。
しかも今回の帰国だって結構無理矢理帰ってきた感じがする。

月末手術で月中に帰国するなんて…
いつもの青峰っちなら“めんどくせぇ”とか言って絶対帰ってこない。
絶対みさきっちに会いたくて帰ってきたんだ。

「これ以上好きになったら引けなくなるって分かるのに、会いたくなっちゃうんだよね…」

え…まさかみさきっち諦めようとか思ってる?
それはダメ‼間違ってる!


「無理矢理諦めなくていいんスよ。諦めようとして抑え込めるなら、それは本当に好きってことじゃないって俺は思う」

「黄瀬君、なんか知り合った頃と全然ちがーう」

「お陰様で」

二人で笑っていると、インカムで呼ばれたみさきっちが俺に小さく手を振って建物の中に戻っていった。


みさきっちは鈍すぎる…
美緒も言ってたけど普通に鈍いとかじゃない。
自分が青峰っちに好かれる可能性なんて1ミリもないと思ってる
昨日美緒に青峰っちがみさきっちの気持ちに気づいたんじゃないかって事を聞いたら、あっさり肯定されて「言わなかったっけ?」なんてとぼけてた

シカゴの話をしながら一緒にお昼寝してたとか言って写メ見せてくれたけど、同じ服装で青峰っちがみさきっちを後ろからしっかり抱き込んで手まで繋いでた。
“女と寝るなんて無理”なんてどの口言ってたのか聞きたくなる。


みさきっちが諦めたって無駄ッスよ。
青峰っちがみさきっちを離すわけないなんてもうみんな分かってる。
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp