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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


結婚式の仕事のため式場に入るとプランナーさんが迎えに来てくれたけど、あたしの荷物を持つ青峰君を見てびっくりしてる。


車で自分で持つ持たないの押し問答の末、メイク道具のバックは自分で持って、それ以外のヘッドドレスなどの小物が入ったものは青峰君が持ってくれている。

「わたくしがお持ちいたしますので…」

「いや、いい」

プランナーさんからの申し出も断ってあたしの荷物を用意されたカートに乗せてくれた

「また帰り迎えに来る」

「うん。時間変わるようなら早目に連絡するね」

「分かった」


頭を撫でて優しく笑って車に乗り込む青峰君を見送るとプランナーさんも横で一緒に頭を下げてくれていた。

「脚の具合がよろしくないと新郎様からお伺いしておりますが大丈夫ですか?」

「はい。仕事には差し支えないように致しますので本日はよろしくお願いいたします」

「椅子をご用意してますのでいつでもかけて頂くようにとのことで聞いておりますのでそのようになさってください」

「ありがとうございます」


脚のことで迷惑をかけてしまっているにも関わらずすごく優しい人たちと仕事ができることがこの上なくありがたかった。

新婦到着前にメイクの用意と事前に打合せておいた小物全てを確認して破損などがないか再度のチェックをしてメイクのメモを読み返す。


昨日の夜に電話で肌のトラブルや特に気になる点を聞いたけどそれもないから予定通りのプランでよさそう。



既に届けられているウェディングドレスは新婦さんにぴったりのAラインのミカドシルクが贅沢なシンプルなドレス。

レンタルは一切しないブランドのもので新婦さんの名前が入っていた



「綺麗ですよね」

「はい。とっても」

「私の自分の結婚式でこういうの着たいって思うんですけどレンタルだと中々なくて…」

「もしかしてご結婚されるんですか?!」

プランナーさんがキラキラとした目で本当に羨ましそうにドレスを見ていた。

「はい」

「わぁ!おめでとうございます‼」

「でも提携のドレスショップで気に入るドレスがなくて…業界にいるのに提携以外のドレスショップのこと全然知らないんですよね…」

提携先で借りてもらうのも仕事なんだから提携先以外を知らないことなんて全然悪いことじゃないのに。
ちょっとだけお節介をしたくなってしまった



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