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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


みさきをスタジオに送ってその足で空港に向かってネロを迎えに行った。


引受場所で係の女がネロを連れてくると、俺を見た途端に甘えてくるから撫でてやってると、その女に話しかけられた。



「あ、あ、あの‼青峰選手ですよね!?」

「あぁ」

「あたしすっごいファンで、いつも試合見てます‼」

珍しいな…こっちじゃよっぽどのことがなきゃ試合なんて放送されねぇのに見てるなら有料だろうな

「そりゃ嬉しいな」

「肘、治って復活されるの楽しみにしてます!」

「あぁ」

「あの……サイン…貰えませんか??」

「いいぜ」

ネロを見てくれてた礼としちゃ安いけど、俺のサインが欲しいらしい係の女にサインを書いてやると嬉しそうに礼を言われた。

「ありがとうございます!!!バスケ部の弟に見せたら絶対大興奮すると思います‼」

「弟バスケやんのか?」

「はい。今は青峰選手の母校の桐皇でセンターやってます。」

お、なら一応後輩だな。
被ってねぇから全然あれだけど

「そうか。弟の名前は?」

意味がわからなそうにしながらも弟の名前を教えてくれたから、被ってた帽子にサインと名前を入れて渡した。

「え…いいんですか?」

「どんな時でもバスケができるって事に感謝しろって言ってたって言ってくれ。インハイ応援してる」


ポカンと口を開けてアホみてぇに絶句してたけど、帰る為にネロに声を掛けたら女も正気に戻ってネロを軽く撫でてくれた。


怪我をしてから、バスケが出来ることが当たり前じゃねぇって痛感した。
やりたくても色んな事情でバスケができねぇやつなんて山程いる。

今の自分がバスケをやれてんのは、いろんな奴ができる場所と環境を用意してくれてるからだ。
俺ももっと早くにそれを気付けてりゃ練習しねぇなんて馬鹿げたことしなかったかもしれねぇけど、当時は全く気づけなかった。

取り返すことのできねぇ無駄な時間を過ごしちまったけど、あの経験があるから言ってやれることもある。





空港を出て運動不足でストレスの溜まってるネロを連れ出して、初めての日本の景色を見せると、すげぇ楽しそうに走り回ったり俺の顔を見たりしてる。

2号もそうだったけど、こいつも結構表情があって楽しいときは笑ってるみてぇに見える。


ホント可愛いヤツ

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