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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


「あたし、最初は黒須さんみたいな顔になりたかった」

「えっ?……私ですか?」

「うん。顔が小さくて目が大きくて鼻が高くて、唇はちゃんと厚みがあっていつもプルプルで本当に羨ましかった」

そんな…
褒めてもらえるのはとっても嬉しいけど、あたしはそんな風に羨ましがってもらえるような顔ではない。
モデルさんをしてる彼女の方がよっぽど美人。

「私はクォーターなので…」

「あ、やっぱり?絶対ハーフとかだと思ってた。あたし、自分の見た目なんて全然好きじゃなかったのに、スカウトされて浮かれてモデルになって……周りがみんなすっごく美人でどんどん自分が嫌いになってった。元々ハーフにすっごく憧れもあったし最初はもっと派手に顔をいじっちゃうつもりだった」

「そうだったんですね...」

あたしは整形は反対しないけど、骨格を思いっきりいじるような小顔にする手術はリスクが大きすぎて怖いと思ってる

「でも色々調べて病院も何件も回って、ハーフとはそもそも骨格が違うからこの骨格でそれを目指してやりすぎたらおかしいって分かった。だからやりすぎた時のシュミレーションまでしてくれた先生に、一番きれいなところで止まれるように手術してもらったの」

「いい先生に巡り会えて本当によかったです。じゃあ今は満足できてますか?」

美容整形は本当に先生によって当たり外れがあって、言い方は悪いけど、お金しか見ていない先生が知識のない患者さんを食い物にするようなやり方も少なくない。
そして、おかしいと感じてまた整形を繰り返すって言う無限ループ


「顔立ちはこれで満足かな…でもあたし久しぶりに黒須さんに会って思ったんだけど黒須さんみたいな肌になりたい。だからまだ満足はしてないけど、もう整形はしない。スキンケア教えてもらえない?」


「もちろんです。それぞれのお肌に合ったものを使うのがいいので、今日クレンジング終わったらお肌見させてもらって、どんな成分がいいか選んでみてもいいですか?」

「うん!お願いします」


メイクを完成させてスタジオに入ると、黄瀬君ももう入ってたから最後のパウダーで仕上げて二人を撮影ブースに送りだした。



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