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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


スタジオに入っていつも通りに用意をして、先に到着した女性モデルさんに挨拶させてもらう。


何度かメイクをさせてもらっていたから顔立ちは掴んでるつもりだったけど、なんか前と違う。


…整形してる。


表向きの理由で仕事を休んで整形するってことは別に珍しくないし整形がいけないとも思わないけど、メイクの予定を少し修正しなくちゃいけない


「久しぶり」

「お久しぶりです。今日はお受け頂いてありがとうございます」

メイクのイメージを作った時にこのモデルさんが一番うまく表現できそうだと思ったから、雑誌社からオファーを入れてもらって逆指名みたいな感じでお願いした。


「少し確認をさせていただきたいのでお顔触らせてもらっていいですか?」

「うん。いいけど…」

「痛ければすぐに仰ってください」

「分かる?」

「私は骨格を見てメイクを乗せることにしているので…」

以前の資料と今の顔を見てどこをやったのか大方の予想をつけていく。

おでこ、鼻、えら…


「触らなくても痛む個所ありますか?」

「もう1年以上経ってるからほとんど平気」

いつもより慎重に触って確かめて、少しシェーディングを変更させてもらうことにした。


「ありがとうございました」

打合せを終えて女性モデルさんの部屋を出ると、黄瀬君のマネージャーさんとすれ違って、黄瀬君がもう部屋にいることを教えてくれたから今度は黄瀬君のところに向かった。




「さっき振り」

「おはようございます。ちょっとお肌だけ見せてください」


黄瀬君は肌が疲れてることはあっても荒れてることはほとんどない。

明らかに目に見える肌荒れがないか確認して、乾燥具合を確かめる為に頬とおでこと顎に触ってからスキンケア始めた。

「ちょっと聞いていいですか?」

「いいっスよ」

「相手のモデルさんのメイクでまつ毛なんだけど…」

結局最後まで絞り込めなかったまつ毛のことをモデルさんに聞いてしまう。
でも黄瀬君なら美緒をリアルにイメージして答えてくれそうだから、一番参考になる気がした。


「俺なら濡れてる感じ。長くて綺麗なら正面から見てたい。まつ毛が濡れるって、お風呂とか泣いてるとか限られたシーンでしょ?相手が特別な存在って言うのは大前提として、自分にしか見せない顔を見た時に抱きしめたくなる」



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