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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


「朝からごめんね」

「俺が言いだしたんだから気にすんな。」

今日は黄瀬君とのお仕事であたしの方が黄瀬君よりも早く入るからお家を出るのも早い。

「今日ネロ君のお迎えでしょ?」

「あぁ。あと1時間もすりゃ引き取れる」

係留期間を無事に終えたネロ君を今日はお迎えに行く日で、大変だから明日からで大丈夫って言ったのに「早速契約違反か?」って言われて今日からお願いすることにした。


「きっとネロ君も今日は青峰君にべったりだよ」

「多分な。離れてた後はすげぇ甘えてくるから俺もつい甘やかして寝室に入れちまってもう同じ部屋に寝んの当たり前になっちまった」

参った風に言ってるけどすっごく嬉しそうであたしまで笑顔になる。
それにネロ君と寝てるならあたしと寝ないと寒いって言うのも頷ける。
初めてカウチで抱き寄せられた時だって勘違いしてたくらいだし

「実家にいるときはどこで寝かせるの?」

「俺の部屋。お袋に慣れるまではずっと俺の部屋だな。ストレス掛けちまうけど、さすがに手術やら引っ越しやらバタつくのに向こうには置いておけねぇ」


確かに…犬や猫は人間みたいに環境の変化をすぐに受け入れられるわけじゃないからできるだけ落ち着いたところに置いてあげた方がいい
あたしもセルジオを日本に連れて来たかったけど、仕事がある上に慣れない日本の生活で寂しい思いをさせるのは嫌で泣く泣く実家に置いておくことにした。


スタジオに到着して少し駐車場で話してから車を降りた。


「帰りまた連絡しろ。時間通りには来る」

「多分今日は時間通りのはずだからまた連絡します」

黄瀬君とベテランモデルさんの撮影だからきっと時間通りに終えられる。


今日はこの間青峰君に相談した“思わず抱きしめたくなるメイク”の撮影。

結局あたしは顔出しを断ったけど使ってくれることになって似顔絵を載せることになった。

あまりにもリアルに似てるのは勘弁してほしいってわがままも聞いてもらったからメイクだけは完璧にやる。

わがままを通した分仕事で返す。


黄瀬君とモデルさん2人分のメイクで少しいつもよりは忙しいけど、メイクの仕事があるってことがあたしにとっての支えですごく幸せなことだと思ってる


「いってらっしゃい」

「行ってきます」



そして大好きな人にこうして見送ってもらうのもすごく幸せ…
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