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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


退院翌日から仕事のあたしは送ってもらう契約(?)通り青峰君に連絡を入れた。


「もしもし」

「もしもし。予定通りお仕事なのでお迎えお願いします」

「今から出る。着いたら連絡する」


うちと青峰君のお家は車で10分弱。
仕事の道具を持って青峰君を待たせないようにエントランスで待っていると、朝のランニングから戻ったと思われる黄瀬君とバッタリ遭遇した。

「みさきっち‼心配したっスよ。仕事再開して大丈夫なんスか?」

相変わらずキラッキラの笑顔

「黄瀬君おはよー!うん。大丈夫!6月からはちょっとご迷惑お掛けしますが、復帰したらまた使ってもらえたら嬉しいです」

「もちろんっス!運転禁止って聞いたけどタクシー待ち?」

え、タクシーじゃないんだけど、なんて言おう。
あたしが青峰君のこと好きって黄瀬君も知ってるけど、送ってもらうなんて知られたらちょっと恥ずかしいかも。

「あ、違うの。タクシーじゃなくてね…あの…そのね…」

「まさか彼氏できた?!青峰っちは!?」

「違うよ‼彼氏なんてできてない‼絶賛片思い中デス…」

「うまくいくように応援してるっスよ」

もう…なんでみんな同じこと言うんだろう。
あたしは青峰君をすっごく好きだけど青峰君は他に好きな人いるもん…
でもこんなに好きになれる人はいないって自分でも分かってる。そしてこの恋が叶わないってことも

「応援には応えられそうにないから先に謝っておく」

私が笑いながらそう言うと黄瀬君が驚いたように声を上げた。

「あれ!?今の車青峰っち?いや、でもまだアメリカのはずじゃ…ってみさきっちが待ってたのって青峰っち!?」

「…ぅん。ネロ君のことがあるから少し早く帰国したんだって」

黄瀬君が気づいた時には既に車を止めていた青峰君が降りてきて、マンションのセキュリティを解除してエントランスに入ってきた。

「で、何でここに青峰っちがいるんスか?」

「みさきは運転禁止だから俺が送り迎えすんだよ」

「マジ!?青峰っちをアッシーにしちゃうみさきっちって…」

ちょっと‼それは人聞き悪すぎ‼

でも事実か…
けど青峰君から提案してくれたしアッシーだなんてちょっとも思ってません‼

「違うの‼アッシーなんて思ってない‼ちょっとそう見えるかもしれないけど全然違うの!」

「あはは!みさきっち焦りすぎ」


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