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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


退院当日は非番だからって真太郎がマンションまで送ってくれて、家でゆっくりしながらできる仕事をしてたら青峰君が電話をくれた。

何故か昨日の電話で仕事の送り迎えをしてもらうことになっちゃって、あたしは会えてうれしいけど怪我で帰って来てるのに本当に申し訳ない気持ちになる。

「もしもし」

「退院したか?」

「うん。青峰君は日本着いた?」

国内電話でかけてくれたんだからもう日本にいるって分かってるのに聞いちゃう。

「今ネロの個体確認待ち」

「航空機の中で何もなくて良かった。突然の帰国だったけど係留期間大丈夫?」

日本にペットを持ち込む場合色々と手続きがある上に、ペットにもものすごく負担がかかって最悪の場合は死んでしまうこともあるからネロ君が来るって聞いて心配ではあった

「ネロに負担掛けたくねぇからチャーターした。狭いゲージのまま貨物質に押し込むなんて可哀想すぎて落ち着かねぇ。それに、どっちにしてもシーズンオフに合わせて連れてくるつもりだったからその辺も問題なかった」

ちゃーたー…
charter…
チャーター

え!?

チャーターって飛行機借り切るアレだよね?!

「…ネロ君ってすっごく大事にされてるね…ワンちゃん可愛すぎてチャーターなんて初めて聞いた」

ロスに住んでると信じられないくらいお金持ちの子もいて、自家用ジェットを保有してるって言ってた子もいたし、家族旅行は飛行機をチャーターするって子は何人かいたけど、いくら家族の一員とはいえペットの為にチャーターなんて初耳だった。

「ネロは俺の一部みてぇなもんだから、なるべく快適に過ごさせてやりてぇ。今回は阿保みてぇにぼったくられたけどな」

青峰君は笑ってるけど、笑い事じゃない…

ぼったくられなくてもすごい金額なのにぼったくられたらどうなっちゃうの?

やっぱりネロ君って青峰君の愛情を独り占めする程愛されててちょっと羨ましい
チャーター機に乗りたいってことじゃなくて、好きな人にそれだけ大事にされたら嬉しいだろうなって思う。

「ネロ君はホント幸せ者だね」

「だといい。…みさき、ネロに会ってくんねぇ?」

「いいの?」

あたしはもちろん会いたいけどネロ君が嫌なら可哀想な気がする。
女の人が苦手ならあたしに会うの嫌じゃないかな…

「お前さえよきゃ時間のある時会ってほしい」

「うん。会いたい」
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