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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


side青峰

「俺は…お前の手術の方が怖えーよ…」


こんなこと言うつもりなかった。
実際受けるみさきの方が何倍も怖えーはずなのに俺がこんなことを言えばみさきをもっと不安にさせる。

それでも、俺の肘のことばっか気にして、医者の言うこと聞けとか言って笑ってるのを聞いてるうちに、手術に失敗してもう二度とこの笑い声が聞けなくなったらと考えると勝手に言葉が出ていた



「え…?どうして?」

「位置が動脈と近い上に血液型も珍しくて輸血も自分で賄わなきゃなんねーんだろ」

「…なんで…知ってるの?」

「悪りぃ…さっきの火神との電話聞いちまった」

火神から聞いたなんて言やぁみさきは絶対ぇ火神に怒る。
手術を控えてただでさえナーバスになりやすい時期に、お互いを片割れだって言うほど信頼し合ってる2人の間に波風を立てたくなかった。

自分で聞いといて嘘つくなんてずりぃけど、今は事実を言う時期じゃねぇ。
手術が終わってみさきが元気になったら俺が聞き出したってことを話す。

「そうだったんだ…」

「明日の午後そっち着くからお前の時間俺にくんね?」

「…仕事いっぱいで…夜中とかしか時間なくて…」

「なら仕事の行き帰り俺が送り迎えする。運転禁止だろ」

みさきが6.7.8月と仕事を調整したせいで検査入院が終わった後から休みはほぼないってことは聞いてて知ってた。

けどそれでも、みさきの顔を見たかった。


「そんなことさせられない!青峰君だって腕怪我してるんだよ!?運転なんてダメだよ」

「俺は運転するとき右手は使わねぇの。それに医者からも禁止されてねぇ」

左ハンドルの車しか運転しねぇせいか運転は左手の方がしやすくて、右手なんてちょっとハンドルを触ってる程度で使ってなかった。
日本で乗ってる車だって運転し慣れてる左ハンドルを買ったから今回も普通に運転するつもりだった

「そうだとしても送り迎えなんてダメ…あたしの仕事はアクター都合で時間も予定通りいかないことあるし、夜中とか早朝…」

「別に時間なんて関係ねぇ。いいからやらせろ」

「…ダメだよ…そんなことさせられない」

「ダメじゃねぇ。俺がそうしてぇの」

「ダメ…疲れちゃう」

「ダメじゃねぇ。他にやることねぇから疲れねぇ」

「でもダメ…だってせっかくゆっくりできるのに」






こいつ…中々譲らねぇな…
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