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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


時計とにらめっこして時間まであと2分。

スマホで番号を呼び出して、時間がきたらタップすればいいだけにして丸を黒く塗りつぶしながら120秒を数え始めた。





___


100まで数えたところで時計を見ると、丁度デジタル時計が8:00を表示して、コールする準備をしていた画面をタップした

…ブツッ…プル…

「検査結果は?」

スマホを手に持っていたのか、声を聞くのが待ち遠しかったあたしが驚くほどの速さで電話に出て、いつもより少しだけ低い声で検査の結果を聞かれた。

「あ、うん。良性だった。だから予定通り5月の後半からそっち行って6月に手術だよ」

「はぁー…ひとまず悪性じゃなかったことは良かった」

大きくため息を吐いていつも通りの声に戻ったから、心配してくれてたのなら結果が分かった時点でメッセージを入れればよかったと思った。

「うん。すぐにメッセージすればよかったね。ご心配おかけしました」

こんな風に心配させてしまうなら検査入院のことは話さない方が良かったのかも…

「いや、俺も少し前に自宅戻ったとこだからメッセージ見れたとしても今ぐれぇになってた」

「え!?会見の後CLに戻ったの!?」

「あぁ。今日の午後こっち出て日本戻る」

「腕…そんなに悪いの…?」

月末にアメリカで手術なのに急に帰国するなんて、生活もできないほど痛いのかと思うと心配で堪らなくなった

「そうじゃねぇよ。今回はネロ連れて帰るから日本の生活にならしときてぇの。手術んときは実家で見てもらうしな」

「よかった…腕がすっごく痛いのかと思った。日常生活大変?」

「手術まではテーピングしてるし、変なことしなきゃ痛みはほとんどねぇから大丈夫だ」

よかった。
痛みがないってだけでも本当によかった

「青峰君は何日入院するの?」

「3泊だな。2泊でいいっつってんのに新しチームのドクターが譲らねぇから今回は迷惑かけちまってる手前言う通りにするしかねぇんだよ」

「それはドクターの言うこと聞いておいた方がいいよ。傷からの感染症とか怖いんだよ」

青峰君のタフさに驚いたし、子供の頃から病院が嫌いって言ってたことを思い出して、こんなに大きくて大人になっても変わらないところもあるんだなって思ったらなんだかちょっとおかしくて笑ってしまった。






「…俺は…お前の手術の方が怖えーよ…」
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