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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


先生に言われたとおり、楽な姿勢でゆっくりさせてもらうと気分も良くなって普通に歩いたりできるようになった。

麻酔科医の先生の2度目の診察を終えると真太郎が検査の結果を持って部屋に来てくれた。

さつきと美緒には別室で待ってもらうこともできるって言われたけど、あたしは別に知られても困らないし、さつきと美緒さえ良ければそのまま説明してほしいと頼んだら結果を見せながら説明を始めてくれた。



「結果はやはり良性の肉芽腫、ガーゼオーマで間違いない」

「うん。じゃあ予定通りアメリカで手術だね」

「そうだな。とにかく痛みがあるときは安静にして、いつ痙攣を起こすか分からないから運転は禁止だ。念のため痛み止めは出すが、手術を控えているからどうしてもの時だけ服用するようにするのだよ」

「分かりました」

「それから、体質的に太りにくいのは承知の上だが、何とか4キロ頑張るのだよ。うちの栄養士にもいつでも相談してもらって構わない。極力ストレスを溜めないようにゆっくり過ごせ」


真太郎が部屋から出た後にママと大我に検査が無事に終わって良性だったから予定通り6月にアメリカで手術になるってことをメッセージを入れた。


(5月に俺がそっち行くまで大人しくしてろよ)

大人しくしてろって…あたし子供じゃないんだけど。
でも本当にありがとう

(ママが日本にお迎え行かなくて大丈夫?)

真太郎たちと一緒に行くんだからママ来なくても大丈夫だよ。
しかもお迎えって飛行機なんだから。



体調が落ち着いた所で少し遅い夕食が運ばれてきて、さつき達と話しながらきちんと全部食べ切った。

飲食物に制限はないから食後に紅茶を飲んでから丸一日付き合ってくれた2人を見送った。


誰もいなくなった豪華な病室は静まり返っていて、嫌でも生検後の鈍い痛みに意識が集中してしまう。


ゆっくり深呼吸をして、ここは病院で脚が痛むのは検査をしたからだって言い聞かせながら、“入院の案内”って書かれた用紙の裏に丸を書いて黒く塗りつぶして気持ちを落ち着かせていく。

あと20分

あと20分我慢すれば青峰くんに電話するって言った時間になる。

意地悪するみたいにいつもより動きの遅い数字を眺めながら、時計が夜の8時になるのを待った。
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