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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


そろそろ電話してもいいかな?

会見直後はバタつくだろうし他に連絡したい人もいるだろうから、かけるのを我慢してた見慣れた番号を履歴から呼び出して海の向こう側の幼馴染に繋ぐ

「おー。どうした?」

「会見見た。言ってよ」

「忘れてた」

そんなの嘘
あたしの脚のことを気にしてわざと言わなかったんだよね…


いつかはロスでやりたいって言ってた事が叶って嬉しいはずなのに、あたしが脚のことで落ち込んでるって知ってて自分の嬉しい話題は避けた

何年幼馴染やってると思ってるの?

でもそれは言わない
大我の優しさは自己満足じゃなくてちゃんとあたしに向いてるって知ってるから。

「番号、すっごく嬉しい」

「そんな事ぐれぇしか思いつかなかった。お前にはマジですげー感謝してる」

全然“そんな事”じゃない。
支えられてるのも感謝しなきゃいけないのもあたしの方。
大我はどんな時でもあたしを認めてくれて生きる理由をくれた。

そして今回だって選手にとって大事な番号にあたしの名前を選んでくれた。

黒子くんのことも大きいって分かってるけど、大我の口からあたしの事だって言ってくれたことが嬉しかった。

またあたしは大我に引き上げてもらった。

「あたし、そんな感謝されることなんてしてないじゃん」

「そーゆーとこだ。つかお前今日検査だろ?電話してていのかよ」

「真太郎が特別室とかいう部屋を用意してくれて電話もネットも全然問題なし」

「ならいいけど、1人で平気か?」

大我には検査の日程も言ってあったからこんな日まであたしを気にかけてくれてる

「麻酔醒めるまでさつき達いてくれるから」

「そうか。そーいや俺もそのガーゼオーマっての調べたけど、脚ってのはかなり稀みてぇだな。腹なら結構あるらしいけど。」


真太郎にもそう言われた。
緊急手術の場合、腹腔内では0.1%から0.3%くらいの確率で起こる医療ミスだけど脚っていうのは真太郎や真太郎のパパは正直初めてのケースでアメリカの執刀医の先生ですらこれまでに摘出した肉芽腫の全体の1%以下らしい

「そうなの。それにあたしのは動脈に近いから手術前に自己輸血した方がいいって言われてる。でも体重がネックなの」

「お前の血液型は珍しいからしょうがねぇな。炭水化物摂れよ。」

あたしはRhマイナスのAB型で今まで同じ血液型の人に会ったことがない
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