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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


試合中のファールの後、明らかに顔をゆがめた青峰君が左手だけでフリースローを決めて、観客は盛り上がったけどキャブスの選手たちはベンチに戻る青峰君を心配そうに見てた。

あたしもものすごく心配だった。


明らかに飛ぶのを妨害した青峰君よりも大きくてたくましい選手はケロッとしてるけど、青峰君は不意打ちだったせいか決めたシュートもかなり無理矢理な感じがした。

結局青峰君はコートに戻ることなくキャブスがぎりぎりで勝って試合は終わった。


試合が終わったら連絡をくれるっていうメッセージに返信をしてなかったから、とりあえずそれに返信をして連絡を待つことにした。

(大丈夫?どこか痛めてない?)



いつもなら試合が終わって30分以内には必ず電話が来ていたのに、今日は30分以上経っても電話が来なくてあたしの不安はさらに大きくなった。


部屋でスマホを持ったままうろうろしてると着信音が鳴って青峰君かと思ったのに大我からだった。

「もしもし?」

「試合見てただろ?」

「うん」

「多分青峰やべー」

「うそっ…」

「まぁ選手生命に関わるほどじゃねぇにしても今季は多分もう出れねぇ。電話すんなら電話来るまで待っててやれよ」

「分かった…電話くれるかな」

「あいつがするっつってたなら来る」

大我にそう言われて長めにお昼寝をしておいてよかったと思った。


心配で仕方なかったけど、あたしから連絡することはできなくて、気を紛らわすために仕事をして時間が過ぎるのを待った。



試合が終わって2時間

あたしのスマホが短く振動してメッセージを受信した。

(起きたら連絡くれ)

(起きてるから今でもいい?)


そう送った直後に電話がかかってきて今度こそ青峰君だった。


「大丈夫!?」

「第一声がそれかよ(笑)」

「だって…」

「大丈夫っちゃ大丈夫だけど今季はもう出れねぇ。靭帯切れちまって今月末に手術だ」

「えっ…」

「手術してリハビリすりゃ9月には今よりも違和感なくプレーできる。今年優勝してからって思ってたけどちょっと早まっちまった」

軽く言ってるけど絶対悔しいはずだよね…
聞いてるあたしの方が泣けてくる。

「なんでお前が泣くんだよ」

「だって…あんなのわざとじゃん…反則だよ…」

「そうだな。だからフリースローもらっただろ?」







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