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最愛 【黒子のバスケ】

第12章 何度でも


もう一度検査着に着替えて深呼吸をして台に上って検査着を捲った。

「ここの部分で撮影するから傷の部分をもう少し右にできる?」

女性の検査技師に変わって玲子先生と話しながら、傷に触らないように位置を調節してくれる。

「私は検査技師の水川ともみです。黒須さん、足の位置を調整するために少し膝を触るけど大丈夫ですか?」

「はい」

私を驚かせないように名札を見せながら、優しく笑ってそっと膝に触って位置を調整してくれた。

「綿貫先生と私はあっちのガラスの向こうに行くけど、すぐに終わるので動かないでくださいね」

「分かりました」


先生が2人ともガラスの向こう側に行ったと思ったらすぐに出てきて、違う方向からも撮ってもらってレントゲン撮影を終えることができた。


画像ができるまでの間、空いている個室で待たせてもらうことができて、玲子先生も何度か様子を見に来てくれたからゆっくり気分を落ち着かせることができた。


ここの病院は個室なら電話以外のスマホ操作はできるようになっているから、仕事の連絡を返してからプライベートのスマホを見ると大我から着信が入っていた。

(ごめん。まだ病院だから終わったら折り返す)

(結構時間かかるな。こっちの時間は気にしなくていいから結果出たら連絡しろよ。青峰も心配してた)

(分かった。青峰君にも検査終わったら連絡入れる)

今日は青峰君は試合だからどっちにしても電話をすることになってたから検査をしたよってその時に話そうと思ってた。


多分痛みがあるのも執刀医の先生が言う様に疼痛だろうし、あの時攣ったのは多分冷えたせいだから心配かけてるなら早く結果を知らせたい。

試合の大事な時期に余計な事を考えてほしくなかった。




…なんか今日いつもより時間かかってる気がする。

まぁあたしが予約通りに撮れなかったせいだろうけど…
レントゲンを撮ることはそんなになかったけど、いつもより長い時間待っていた。


そのあとしばらく待ってからドアがノックされて、返事をしたら真太郎が顔を覗かせた。

「みさき、レントゲンができたから診察室に来れるか?」

「うん。行ける」

「痛むか?」

「うーん、今は特に」

「そうか…」

何?なんでそんな難しそうな顔してるの?


「ねぇ…あたしさ…」

「大丈夫だ」
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