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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


side火神

青峰の乗るジェットが発つのを見てみさきがボロボロ泣いてる。

車に戻ってきたときも少し鼻が赤かったから、泣いたんじゃねぇかとは思ってた。

みさきがこんな風に感情を表に出すなんてな…

全ての感情を出さなくなって、一番初めにみさきの中に戻ってきた感情は怒りだった。

怒ることはあっても笑ったり泣いたり喜んだりはしなかった。

他の感情は時間をかけて徐々に戻っていったけど、俺と緑間以外の男に対しては一切心を許すことはなかった。
黄瀬のことだって最初はめちゃくちゃ警戒してて、仕事じゃなきゃ絶対関わりたくないとか言ってた。


青峰を好きだと認めてから、みさきは確実に今までよりも多くの感情を見せるようになった。

泣いたところを見られるのが大嫌いなみさきが、人目もはばからずボロボロ泣いてるのを見て不覚にも嬉しいと思った。
寂しがって泣いてるって分かってても、みさきが男に対して“寂しい”って感情を持ってくれたことがめちゃくちゃ嬉しかった。


もしみさきが桐皇を選んでたらあんなことは起こらなかったんじゃねぇかって思わずにいられなかった。


でも、みさきはあの事があったからメイクとしてここまでになれたってのも正直ある。

忘れるためにメイクに没頭してのめり込んで、パットにもう休めって言われるまで練習し続けて、練習量に比例して技術を身に付けていった。
だからメイクとしては相当若い段階でフリーランスになれた。

どっちがよかったかなんて分かんねぇ。

傷つくことなく今と同じように仕事ができてんのが一番いいんだろうけど、日本にいてパットの弟子になるってことは不可能だった。


でももう過去はいい。

俺も、すぐには無理でも、守れなかったことの後悔をし続けるのはやめる。

確かに守ってやりたかったけど、それを言ってても過去は変えられねぇ。
だから、みさきが青峰とうまくいくように過去を乗り越える手助けをしてやりたい。

みさきがきちんと幸せになってくれりゃ俺もすげー嬉しい。

シーズンオフがこんなに楽しみなんて選手としちゃ失格だな。
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