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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


side青峰

部屋を見てぇとか言って訳の分かんねぇ理由で部屋に呼ばれたときから、さつきが俺の余計な一言について聞こうとしてることは分かってた。


怒ったように俺に質問してくるさつきは、多分俺がみさきの事を詮索するんだと思って牽制しに来たんだと思った。

バスケ部のマネで俺の幼馴染でもあったさつきは、中学の頃からよく女に目の敵にされてた。
全く女友達がいねぇって訳じゃなかったけど、黄瀬や赤司目当ての女に友達面されて、連絡先の橋渡しを断るとすぐに手の平返す女共にうんざりしてた

マネの仕事をしてても、さつきはテツしか好きじゃなかったのに、俺らに色目使ってるとか言われて、女の思い込みの激しいところが嫌だっつって高校でも必要以上に女と関わろうとしなかった。

さつきにとってみさきと進藤は、素でいられる数少ないすげぇ大事な友達なんだってことは言われなくても分かった。
だからみさきが傷つかねぇようにさつきなりに守ろうとしてる。



さっき俺が言ったことを何とか勘違いだったって思わせようとしたいらしいけどそんなん無理に決まってる。

俺がみさきを見間違えることなんて天地がひっくり返ってもねぇ。

諦めの悪いさつきに、みさきには何も言うつもりがねぇことと何かあったことは分かってるってことを言うと、やっと緊張を解いたのか表情がいつものさつきに戻った。


「でも、大ちゃんなんで今すぐみさきに告白しないの?」

「みさきは5月にデカい仕事があって、それを邪魔したくねーんだよ。みさきは俺のバスケを邪魔したくねぇっつって、いつも俺の都合に合わせてくれてんだよ。だから俺もみさきの邪魔になるようなことはしねぇ」

「大ちゃんって意外とちゃんと考えてるんだね…」

「何が“意外と”だ」

「でもよかったね。大ちゃん!」

「まだよかったなんて言える段階じゃねぇよ。みさきは手強い。すんなりはいかねぇって思ってる」

「さすが…野生の勘は伊達じゃないね…」

「でも諦めねぇ。俺はみさきしかいねぇ」

「ねぇ。私が初めてみさきを見た時どう思ったか教えてあげよっか?」

「あ?」

確か、さつきが前に電話でみさきの事を話した時、言いかけた言葉があった。
それのことか?

「“この子大ちゃんと結婚する”って思ったの」

「なんだそりゃ」

でも、そうなりゃ最高だな……
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