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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA



聞き間違いだと思った。

何も反応できず黙る俺とみさきをよそに、進藤と桃井がフォローを入れてくれたおかげでなんとかその場を凌いだけど……
青峰が確信もなくあんなことを口にするはずがねぇ。


何が青峰に確信を持たせたんだ?

何も変わった行動はとらなかった。

そしてみさきが話してねぇ以上、青峰はみさきが16歳の冬に日本にいたことは知り得ない。


なんで気づいた…?

青峰の勘の鋭さが尋常じゃねぇことは知ってる。
けどこれは勘がどうこうの話じゃねぇ。
どうなってんだよ



それにもしみさきが16の冬に日本にいたことが知れたら、なし崩し的にみさきの過去を青峰が知ることになるかもしれねぇ。

青峰がみさきの過去を知ったからって、今更みさきへの気持ちが変わるなんて思っちゃいねぇけど、みさきが望まない形で全てを知られちまったらみさきがどうなるのか心配でしょうがねぇ


青峰も空気が凍ったことを悟って桃井に同調してくれたから、みさきも普通にしてるものの知られたとなればきっと不安定になる。

ましてや昨日あの傷のことを強烈に思い出させられたばっかりだ。



帰りの運転は青峰に任せて家に帰ったらどうすべきなのか考えてたら、あっという間に家に着いて車がガレージに止められた。


「みさきー!みんなでお部屋で見せっこしよ」

「あたしのも見るの!?面白くないけどいい?」

「面白さ求めてなーい。いいからみんなで見せっこしよ」

家に入るや否や桃井と進藤がみさきを部屋に連れてってくれたのはマジで助かった。

丁度いいわ。
俺も青峰とちょっと話すか…

けどみさきに聞かれんのはマズいから俺も青峰を部屋に呼ぶことにした。

「「おい」」

「あ?なんだよ」

「や、そっちから先でいいぜ」

「いや、お前から言えよ」

お互いを呼ぶ声が重なって、どっちが先だと擦り付け合ってたけど、ここでみさき達に戻ってこられちまったら元も子もなくなっちまう。
兎に角部屋に行くか…

「ちょっと話あんだけど、俺の部屋きてくんね」

「おー奇遇だな。俺も話あるから行くわ」


リビングを出てみさき達が部屋できゃいきゃいと騒いで盛り上がってるのを確認してから、青峰と俺の部屋に入った。
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