第11章 NBA
「もしもしおばさん?」
「たいちゃん元気ー?」
「元気だよ。なんかあった?」
「今昨日のたいちゃんの試合見てるんだけどね、みさきと青峰さんが映って司がヤキモチ妬いてるのー」
おばさんが楽しそうに笑うと、奥からおじさんが“ヤキモチじゃないだろ‼”って怒ってる。
「おばさん今DC?」
「うんそうなの。みさきと青峰さん仲良くやってる?」
「あぁ。悪くねぇと思う」
脛をぶつけた話や、昨日足を攣った時の話をすればきっとおばさんも青峰を信用できると思うけど、それと同時にみさきを心配することにもなる。
検査の結果次第でみさきが話せばいいと思った。
「司がたいちゃんと話したいみたいなの。代わってもいい?」
「あぁ。俺も少し話したい」
「もしもし大我か?」
「久しぶり」
「みさき迷惑かけてないか?」
「全然。いつもみたいにメシ作ってくれてスゲー助かってる」
「ならよかった。…で、青峰のことなんだけど、信用していいのか?大我の意見が聞きたい」
やっぱりそうきたか。
みさきからおじさんが反対してるってことは聞いてたから、いつか聞かれるとは思ってた。
みさきと青峰に聞かれねぇように少し場所を移動して、おじさんに思ってることを伝えた。
「俺は青峰を信用してる。みさきをスゲー大事にしてんのも近くで見てて分かる。それに何よりもみさきが青峰を信用してる。おじさん仕込みの警戒心の強いみさきが、何の疑いもなくあいつを信用してる。だから信じてやって欲しい。みさきの事も青峰のことも。それに多分おじさんが反対してもあいつらはいずれくっつく」
「そうか…そこまで言われちゃ覚悟しておいた方がいいな。でも青峰が他の女に気持ちがいったら…」
「残念だけどそれはない。あいつはこの先みさきだけだって決めてる。あいつは決めたことは絶対ブレない。そうやってNBAにも入った」
「そうか…まさかうちの平凡な娘があんな男に惚れられるなんてな」
「青峰だって普通の男だよ。別に俺も青峰も特別って訳じゃない」
「そうだな。でも1回緊張させるくらいはいいだろ?」
「やりすぎたらみさきが怒ると思うけど少しならいいだろ」
「だよな。みさきに代わってくれるか?」
「分かった」
おじさんだっておばさんだって、みさきが大事で幸せになって欲しいって思うから心配すんだよな。