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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


太ももの傷の辺りが痙攣を起こしたことで青峰君と大我に大迷惑をかけた手前、言われた通りにするしかなくて真太郎の番号を呼び出して電話をかけた。

「もしもし」

「どうしたのだよ」

「今いいかな?」

「構わないのだよ」

話を聞いてくれるという真太郎に、あの時の傷が最近頻繁に痛んで今さっき痙攣を起こしてしまったことを話した。

「痛みはいつからだ?」

「うーん…よく覚えてないの。数年前から冬場は痛いなって感じてた」

「そのほかに違和感は?」

「特にないかな…あ…でも強く触ると触ると奥の方が変な感じがして痛いかも」

「帰国したらすぐにうちに来い。レントゲンを撮る必要がある。1日仕事のない日に予約を入れるからスケジュールを空けて連絡をしろ」

「はーい」

「それから違和感のあるところは触るな」

「分かった。温めてもいい?少し楽なの」

「どうしても我慢できないときは温めてもいいが、極力何もするな」

「分かった。じゃあまた連絡する」



「なんだって?」

電話を切ったあたしに間髪入れずに大我が聞いてくるから話した内容を伝えるとホッとしたように「その方がいい」って言ってくれた。


「俺はもう寝るけどまたなんかあったら起こせ」

「うん。ごめんね。もう大丈夫」

「気にすんな」

いつもと同じようにあたしの頭を軽く撫でて大我がリビングを出て行った。


「青峰君、ごめんね」

「悪いことなんてしてねぇんだから謝るな」

「でも腕…」

あたしが強くつかんだせいで青峰君の腕にはあたしの爪の痕が内出血として残ってる。

「これぐらい別に大丈夫だ」

「あの…ありがとう」

「ちゃんと検査しろよ」

「はい」

これだけ迷惑をかけたんだから言う通りにしなきゃね。
それにヒールが履けなくなるなんて考えられない。


「部屋行くか?」

「うん」

あたしの返事を聞いて立ち上がった青峰君が、立ち上がろうとするあたしの肩を押えてソファに戻した。

「暴れるなよ」

笑ってそう言って、ふわっとあたしを抱き上げてくれた

「自分で歩けるよ‼」

「また痙攣起こしてあんな痛がるお前見んのマジで無理」

「でも重いから!」

「ネロより軽い。お前の体重じゃ筋トレにもなんねぇよ」

こんな時ぐらい黙って甘えろって笑って言ってくれるその優しさが、嬉しくて堪らなかった
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