第11章 NBA
side青峰
無理に納得させようとしても意味なんてねぇし、みさきが自然体でいるのは恋愛に対して理想みてぇなもんすらないからなのかもしれねぇと思ったら、それはそれでみさきらしくていい事なのかもしれねぇな。
まぁキスマークなんか付けられんのはムカつくけど。
「俺達も寝るか??」
「うん」
時間も時間だったしみさきは眠くねぇと思うけど、ベッドに行きゃ寝ると思って部屋に行く為に手を軽く引っぱって立たせた。
_____________________________「痛いっ!!!!」
力を入れたつもりは全くねぇけと今までに聞いた事もねぇくらいの悲鳴に近い声で咄嗟に手を離すとそのままソファに崩れるように座り込んで太もも当たりを抑えてる
俺が引っ張ったのは腕
「どうした!?大丈夫か?!」
俺の問いかけにただ首を振るだけで冷や汗をかいて目を強く閉じてる
「息止めるな。火神呼ぶから深呼吸しろ」
痛みがある時に息を止めるのは逆効果でしかねぇ。
呼吸を整えさせつつスマホで火神にかけると眠そうな声で電話に出た
「なんだよ…用あんなら部屋まで…」
「無理だ。みさきが太もも抑えてめちゃくちゃ痛がってる。どうすればいい」
「すぐ行くから無理に触ろうとするな」
「分かった」
脚を抱えてうずくまったまま手が真っ白になる程強く握りしめてる。
血相変えた火神がリビングに来てみさきの前に座ってゆっくり声を掛けた
「みさき、俺だ。触るけど怖いことも痛い事もしない。いいか?」
声を一切ださずに頷くみさきをソファに寝かせて曲げてる脚をそっと伸ばしていく。
「痛いっ!!大我っ…やめて!!痛いっっ!」
「痙攣してるから曲げてちゃダメだ。力入れるな」
「青峰、みさきの背中に手入れて座らせてくれ」
「触って大丈夫なのか?」
「多分な」
言われた通りにみさきとソファの間に腕をいれてゆっくり体を起こしたけど汗で背中がじっとりと湿っているのが服越しにも分かる。
華奢なみさきからは想像がつかないほど強く俺にしがみついて痛みが相当強いことを実感させられる。
「いやっ‼痛いっ‼」
「力抜け。曲げようとするな」
「できない‼」
「みさき、落ち着け。火神の言う通りにしろ。できる…ゆっくりでいいから、息止めちゃダメだ」