第11章 NBA
ピピーッ!
『ディフェンスプッシング 白 7番……フリースロー』
もう勝てないかと思ったときに大我のフェイクに引っかかった相手が咄嗟にブロックに飛んだことで勝てる可能性が残った。
どっちが勝つか分からないギリギリのクロスゲームに会場は大盛り上がり。
大我が危なげなく1本目を決めて、勝敗は次のシュートに委ねられた。
「きゃー!!大我絶対入れちゃダメだよー!!」
「かがみん外してー!!」
大我がセットすると大騒ぎだった会場が静まりかえって、全員が固唾を飲んで見守る中、大我がボールを放った。
【ガンッ!】
「「「「リバウンドー!!」」」」
応援する人も選手も、全員が同じ言葉を発してコートの選手がリバウンドを取りに行く。
それでも、ジャンパーバイオレーションを取られるほど背の高いセンターが既にベストポジションにいる。
あれだけたくさんの選手がいる中でもダントツに大きな彼は、大きな手でしっかりとボールを持ってそのままゴールに入れた。
【ビーーー!】
『きゃー!!勝った勝ったー!!ジェイク!大我たちの勝ちだよ。ハイタッチ!』
小さな手がしっかりとあたしの手を叩いてハイタッチしてくれた
隣のアンバーともハイタッチして反対側の青峰くんともハイタッチ
『ジェイク、ハイタッチだ』
パチン!
あたしの膝に居たジェイクに視線を合わせて青峰くんがそう言うと、ニカッと笑って嬉しそうに青峰くんの手にしっかりタッチした。
「わ!仲良しになれたね!」
試合中もちょこちょことジェイクを構ってくれて、後半は時々抱っこを変わってくれたおかげでジェイクも青峰くんを好きになったみたい。
「ポップコーンのお陰だ」
ポップコーンを手に隠して『どっちだ?』ってやって正解したら貰えるのが楽しかったみたい。
「あはは!青峰くんの戦略が良かったんだよ」
『ジェイク、こっち来い』
一般席へのファンサービスを済ませた大我が席の前に来てくれて、ジェイクに手を伸ばすとあたしの腕から大我の方に手を伸ばして嬉しそうに飛びついた。
『タイガ!タッチ!』
ハイタッチ大好きなジェイクは、あたしや青峰君とも何度もして大我にもしてる。
「もうホントかわいいー!」
「天使すぎー」
さつきと美緒もジェイクにメロメロで、大我に抱っこされてご機嫌のジェイクをつついてる