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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


ハンナからの返信を待ちながら電話番号を変えた時は返事があったか確認してみたけど、やっぱりそれにも返信はなかった。

なにかあった?

少しだけモヤッとする嫌な予感を吹き飛ばしてくれたのはやっぱりあたしの大好きな人の声だった。

あたしの時間を気にしながらも、髪を乾かして欲しいなんてちょっと子供みたいでなんかかわいいなとか思いながら、何度か触れてきた見た目よりも柔らかい紺色の髪に指を通す。

元々綺麗なストレートだからブラシなんかなくてもサラサラに乾く。
いつもは少しワックスを付けててつんつんして見える髪も、乾かしたては柔らかい。

髪を乾かし終わってドライヤーを片付けてたらいきなり、“テストして欲しい“なんて言うから何かと思えば手のマッサージのことだったみたいで、青峰君と一緒にベッドに座った。

「痛かったらすぐ言えよ」

「うん。お願いします」


そっとあたしの手を両手ですくい上げて手首から手の甲、手のひら、指の1本ずつを丁寧に揉みほぐしてくれる

指を扱いて、指を絡ませてぎゅっと握ってゆっくり離す。

最後に大きな手に挟まれてぎゅっとしてもらって解放される。

「気持ちいい」

「痛くなくてよかった」

大きくて暖かくて手を酷使してるとは思えないほど柔らかい。

反対も同じように丁寧にマッサージして、大きな手がそのままあたしの手を握ってくれる

「指細いな」

「そうかな?」

あたしの左の薬指のほくろに触れながら親指で撫でてくれる

「このホクロすげー好き」

「あたしも好き。特別だから」

「そうだな。母親からもらったんだもんな」

「うん!」

きっと一生飾られることの無いこの指に神様とママがくれた贈り物なんだと思う

指輪のように輝かないけど壊れることなく、無くなることもない永遠の贈り物。

「あ、そーだ。お前顔隠してくんね」

「なんで??」

もしかして青峰君が好きな人が見てるかもしれないってこと?

「いや…なんつーか…」





「ちょっと大ちゃーん!!!!大変なんだけどー!」

言い淀む青峰君の声をかき消す程の大声でさつきが叫んでる。

「みさきー!!!!どこー??」

今度は美緒の大きな声

「なんか探されてるね」

「とりあえず行くか」

ベッドを整えて部屋を開けた瞬間目の前に見える2人の姿
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