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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


side青峰


チッ…火神のヤツ。
さっきのしたり顔、絶っ対ぇわざとだ。
ったく、ムカつく野郎だぜ。

頭を拭きながらリビングに戻るとみさきがいて、珍しくスマホをいじくってる。

「あいつらどこいった?」

「わっ!驚いたー!2人ならお部屋で出かける用意してるはず」

「お前は用意しなくていいのか?」

「服は決まってるし、肌がちょっといつもより疲れてるから、出かけるのは夜だしメイクお休みしちゃおうかなって思ってたの」

「肌が疲れんの?」

「うん。そういう時ない?なんか何も付けたくないみたいな日」

「分かんねぇ」

すげぇ繊細なのか??それとも仕事でしてるから敏感なのか??どっちにしてもみさきの肌なんていつもすべすべふにふにだろ。

「あはは!だよね。分かるって言われちゃったらちょっとびっくりしちゃうかも」

「お前時間余裕あるか?」

「うん。あるよ」

「髪、乾かしてくんね?」

「いいよ。ドライヤー持ってくるから待ってて」

「じゃあ自分の部屋にいる」

「うん。分かった!」

2人ならリビングで乾かしてもらってもいいけど、あいつらがいつ来るか分かんねぇ状態でそんな事してたら、またあのニタニタした阿呆面を向けられそうで部屋でやってもらう。

さつきは俺がみさきを好きだって知った時からニタついてたけど、進藤はみさきも俺を好きだって俺が知ってからあからさまにニタつくようになった。
礼儀正しいししっかり者だけどやっぱりさつきと仲良いだけあって似てるところもある

部屋で待つ間に帽子とサングラス、上着とマフラーを用意してるとドライヤーを持ったみさきが入ってきた。

「お待たせ。どこ座る?」

「お前のやりやすいとこでいい」

ドレッサーとかいうテーブルに座らされてみさきが乾かしてくれたけど、俺の髪は短いから乾くのもあっという間で、すぐにみさきの手が俺から離れた。

だから俺は触れる口実をまた作る。

「テストしてくんね?」


「え?」

「手のマッサージ。ちゃんと俺が覚えてるかテストしてくんね?」

「あ、なるほどね!いいよ!どこに座ればいい?」

「ベッドでもいいか?」

「うん」

にっこり笑って昨日みさきが寝てたところに座らせて小さくて柔らかいみさきの右手をそっと手に取った。
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