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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


side火神

9月にマイアミの撮影で一緒になって、みさきがジェシカの標的になるって教えてくれたハンナに偶然会ったのは、開幕直前の10月末だった。

ハウスキーパーを使うこともあるけど基本的には家のことは自分でやってるから、この日も洗濯をしようと思っていたら、バスローブを洗う用の洗剤が切れててストックもない。

あー……
キャンプのことで頭がいっぱいで買うの忘れてた。
しゃーねぇから今から買いに出るか。

バスローブは絶対ぇあの洗剤じゃねぇとダメだ。
しかも使ったローブを何日も放置するのはバスローブに失礼だ。

少し遠いけど、その洗剤の売っている店までドライブがてら出かけることにした。


店について目当ての洗剤とストックを手に取ると、同じシリーズの違う香りのが発売されててそっちにしようか迷ってる俺に声がかけられた。

『タイガ?』

買い物中にファンから声をかけられることはよくあるし、俺としては応援してくれてるのはすげぇ嬉しいから声のした方に顔を向けると、見覚えのある顔だった。

『やっぱり!絶対そうだと思った!あたしの事覚えてる?』

『ハンナ?』

『えぇ。覚えててくれて嬉しい!みさきは元気?』

『あいつは仕事の拠点が日本だから最後に会ったのは9月の終わりだけど元気だった。あん時はマジで助かった。ちゃんと礼もしなくて悪りぃ』

『いいのよ。こっちこそあんなバタバタの現場でよく最後まで付き合ってくれたと思って。感謝してるわ。売り上げも上々だし。ほらね』

ハンナの指さす先には俺のポスターと“Best Seller”の文字
流石にこうやって見せられるのはなんとなく照れる。

『いい結果になってよかった』

『えぇそうね。それよりあなたみたいな人がこんなとこで何してるの?まさか自分でお洗濯するの?』

悪りぃかよ…

『まぁな』

『その洗剤の新しい香りはやめた方がいいわよ。あたしこの洗剤バスローブに使ってるんだけど、匂いがきつすぎてせっかく洗った体もバスローブも台無しよ』

お!マジか…あぶねー。ついつい買っちまうところだったぜ。そして俺の大事なバスローブが香料まみれになるところだった。

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