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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


みさきが風呂を用意してくれたから、いつもよりは少し長めに体を温めて、若干違和感を感じる肘を教わったようにマッサージした。

俺にしては長くて30分は入ってたから、温まりすぎたと思ってリビングに入ろうとしたら、みさきと火神が話してる声が聞こえて、盗み聞きなんてするつもりじゃなかったけど火神の言葉で部屋に入るのがためらわれた

あいつの言葉は、火神にとってみさきの存在がどれだけでかいのか突きつけられるには充分だった。

火神に母親がいないことはなんとなく分かってて、俺は勝手に離婚ってやつだと思い込んでた。
まさかそんな小さいときの死別だったなんてな…

あいつが人に優しいのは多分、人の何倍も辛いことを経験してそれを乗り越えてきてるからだ。

火神の話を聞いてほっとしたように自分も同じだってみさきが話しだした時、さつきが来て俺を見てるから、喋らせねぇようにすると俺の横に立ってさつきもみさきの声に耳を澄ましてた。


「大我がいなきゃ死んでたもん」

聞いちゃいけねぇって思ってても知りてぇって気持ちが勝ってその場を動けなかった俺に、衝撃の言葉と胸を抉られた様な痛みを感じた。

比喩や大げさに言ってる感じじゃなく、事実だけを淡々と話す口ぶりにさつきを見ると、目を閉じて泣きそうな顔をしてる。

さつきの顔…
みさきの事情をさつきは知ってると思わせるには充分だった。

何でそんな話になったのか知らねぇけど、自分たちの関係は変わらないと言い切って、みさきを家族として愛してると言った火神にみさきも愛してるって返してた。

なんか、こいつらってすげぇ深いとこで繋がってる。
傷の舐め合いなんて生ぬるい表現じゃなく、みさきが言ったように本当にお互いがお互いを片割れだと思ってる。
お互いに支え合って、悲しいことや辛い時期を乗り越えてきてる。

そんなに強い絆のところに入る余地があんのかと思う俺に、直後のみさきの言葉で心臓を鷲掴みにされて、一瞬止まったと錯覚するほどの衝撃が走った。



………

今なんて言った?

思考は停止したのに心臓だけがものすごい速さで動いて、指先まで脈が伝わってくる。
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