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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


パーカーのお腹の所に入れておいた仕事用のスマホが振動してぼんやりと意識が戻り始めた。

…出なきゃ…

目が開けられないままとにかく体を起こそうとするのにうまく起き上がれない。

あれ、ここベッドじゃない…?



あ、そっか。あたし寝ちゃったんだ。

目を開けると湯たんぽになってくれた青峰君があたしを背中からぎゅってして指を絡ませてる。

またこの人は…なんであたしの手をこんな風に握るの?
嬉しいけど、女として見てないって言われてる様ですごく複雑…

でも今はとにかく起きなきゃ。
リビングの時計は朝と言うには遅すぎる時間を指してて大我の朝ごはんを完全に作りそびれた。

ずっとこうしてたいけど指を外して寝返りをして青峰君を起こす。

「青峰君」



「青峰君、もう朝終わっちゃった」



爆睡じゃん。疲れてないなんて絶対嘘。
でもそろそろ起こして何か食べないとダメだよね。

つんつんって腕をつついてみたけど全然起きない。

「青峰君、おきて!」ってちょっと大きい声でゆらゆらしたらちょっと目を開けてまた寝始めた。

てか、みんなどこ行ったの?
みんなが来る前に起こさなきゃ。

でも起こすの勿体ない。
ほんと、すっごくかっこいい顔してる。

あたしはキリッとしてる切れ長の目が好きだし、何よりもこの青峰君の高い鼻がホントに大好き。
薄めの唇が羨ましい。
日焼けした肌は野性的でシャープで、少しも荒れたりしてない。

ちょっとだけ触っちゃおうかな。
骨格に触るだけ。

おでこ、眉間、眉、頬に触って、最後に鼻に触ろうとした時、それは起きた。



「くすぐってぇんだけど」

ぎゃぁぁぁ!起きちゃった!
起きて欲しかったけど、今じゃない!もっと前!

「こ、こここ…」
骨格に触ってたのって言いたいのに上手く言葉が出てこない

「こ?」

「…あの、ごめんなさいっ」
とりあえず謝らなきゃ…絶対嫌だったよね。。

「なんで謝るんだよ」

「…嫌なことしちゃったから」

「嫌じゃねーよ」

そうは言ってくれてても返す言葉がない。

「…」




「そんな泣きそうな顔すんな。お前の手すげぇ柔らかいのな」

優しい声と、ぎゅっとしてくれる腕に、怒らせてなかったんだと安堵した。

「…肌に触るのが仕事だから、傷つけないようにしないといけないから」

「で、“こ”ってなんだ??」
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