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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


あたしの部屋に寄って枕と夜のセットを持って青峰君の部屋にお邪魔させてもらった

一緒に歯磨きしてあたしの肌のお手入れを興味津々で見て一緒にベッドに入る

いつも通り青峰君が右であたしが左。


「あの、ありがとう」

「なにが?」

「本当は1人の方が休まるのに、一緒に寝てくれてありがとう」

「俺がそうしてぇの。試合来てくれてすっげぇ嬉しかった」

「本当にすごかった。本当にチケットもフライトも今も感謝してます」

「いーんだよ。来年も再来年も来いよ」

「うん!」

あーもうダメ。あたしこの人を好きじゃなくなれる自信が無い。
特別にはなれなくても友達でいて欲しい。
彼女ができたら、すぐにはできなくてもちゃんと祝福する。
だから今はこの人を独占させて。

あの時あたしが助けて貰わなければあたしは彼を好きにならなかった?



それは有り得ない

共通の知り合いがここまで多くて今までなんの接点もなかった方が不思議なのかもしれない。
大我、さつき、真太郎、黄瀬くん、辰也。みんなそれぞれにあたしと青峰君を知ってた。
紫原さんは少し違うけどそれでもあたしと青峰君を知ってた。

きっとどこかで出会ってあたしは彼を好きになってた。

助けてくれたからじゃない。

考えてもどうにもならないことをグダグダと考えて、青峰君が寝たのを確かめてから少しだけあたしの短い腕を青峰君の腰に回してみた。

硬くて男らしいその体に不思議と恐怖は感じない。

あたしの好きな優しい目は試合になると別人のように鋭くなって、それでも楽しそうに笑う顔がすごくかっこよかった。

広い肩幅と長い腕、硬い胸板、大きくて綺麗な手
何人の人がこれに触れたいって思うんだろう。
今だけでいい。この瞬間だけはあたしが独占してる。
これ以上は求めない。

あたしは、この人に恋をして幸せだってはっきり言える。

叶わなくていい。でもあたしの中にある気持ちを否定したりしない。

“好きだから独占したい”

腰に回した手にぎゅって力を入れたら青峰君もあたしを強くぎゅってしてくれた。

寝てるからたまたまなのに、それでも嬉しくて硬い胸板に頬を寄せて青峰君の匂いを感じて眠りに落ちていく。

明日は早起きは出来なさそう。
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