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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


「なっ!ダメだよ!」

さつきと美緒に知られたら何言われるか分かんないもん

「別にいいだろ?何にもしねぇから俺の部屋来い」

後ろからぎゅってしてあたしの好きな低くて甘い声でそんなこと言うのズルい


「ダメだよ…」

「なんで?いつも一緒に寝てんだろ?」

「それはっ…青峰君が寒がるから…」

本当は違う。
あたしがそうしたいから、青峰君の寒がりを利用してる

「なら、今日も明日も明後日もすげー寒みぃから一緒に寝てくんね?」

なんでそんなお願いするみたいに言ってくるの?断れないじゃん

違う。
お願いされて断れないんじゃない。
青峰君が好きだから、ぎゅってして貰って寝るのがたまらなく幸せだから、あたしがそうしたくて自分でそうすることを選んでる。

だって、もし他の人に同じことを言われたら確実に断ってる。


「あの…邪魔になったら…」

「なんねぇ。だから今日から来い」

「明日だけで…「今日からでいいだろ?寒いんだから」

「…うん」

一緒に過ごせる幸せを知ってるから、結局頷いてしまった。


ピピッピピッ…



今の雰囲気をぶち壊すようにウインナーを茹でてるタイマーが鳴り響いて、慌てて我に返った。

「ヤケドしちゃうから…」

あたしがそう言うと、すんなり離れてお湯から引き揚げられたばっかりのつながったウインナーを面白そうに見てる。

「すげー。それお前より長そうだな」

「長いよ。青峰君よりも長いもん」

「マジで?何メートルあんの?」

「4メートルくらいだよ」

粗熱を取ってから絞ってある所で切って、ついでにつまみ食いしちゃお。

「青峰君食べる?あ、でもこんな時間に…」

「食う」

「いいの?」

「勝った日はいいんだよ」

出来たてのウインナーをキッチンにのカウンターに座って2人で食べる。
猫舌のあたしはひたすらフーフーしてるけど青峰君はもう食べてる。

「すげぇうまい」

「ホントに?よかったー」

「火神は贅沢病だな」

「?」

「あいつほとんど外食しねぇし、してもあんまり旨いとか言わねぇの。まぁこんな手の込んだもんばっか食ってりゃそうなるのも納得だわ」

食べ終わってキッチンを片付けてリビングに行くと、もう誰もいなくてあたしと青峰君も寝ることにした。

「あの、枕だけ取りに行っていい?」

「また躓くとヤバいから一緒に行く」
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