• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


side火神

『次の便で行きますから!』とか言って、こともあろうにセンターテーブルに向かって勢いよく歩くから、止めようとした俺の声とみさきの叫び声が重なった。


やらかしたな…
スゲー音したけど大丈夫か?

進藤と桃井と一緒にみさきのところに近寄ったけど相当痛いらしく言葉を発さない。

これ、今触ったらやべーな…

みさきの背中に触ろうとした進藤の手を咄嗟に掴んで止めて、口パクで“触っちゃダメだ”と伝えた。

みさきはあの時の事が原因でPTSDを発症した。
強い痛みがあるときに不意に触られると、押さえつけられると勘違いしてパニックを起こす。
これは未だに治らなくて頻度は減ったものの玲子さんの所にずっと通ってる。

みさきの声が聞こえたのか、焦ったように青峰が来て、蹲ってるみさきに手も貸さず突っ立ってるだけの俺らを見て何を勘違いしたのか「虐めるな」とか言い出した。

みさきが首を横に降ったり縦に降ったりして意思疎通してたのに、突然みさきの隣に座って、俺が止める間もなくみさきのスネを抑えてる手にそっと手を重ねた。

一瞬ビクリと肩を揺らして顔を上げたみさきが青峰をみてほっとしたように息を吐いて、抵抗するでも怖がるでもなく青峰の言う通りに手をスネから外して促されるまま背中を撫でられて深呼吸をし始めた。


好きって以上にみさきは青峰を心の底から信頼してる。
何がきっかけかなんて分かんねぇけど、会う時間が圧倒的に少ないこいつらの関係で、みさきの信頼をここまで勝ち取ったのは称賛以外の何物でもない。

所構わずハグして一般人に写真撮られてるけど、多分青峰はすげぇ我慢してる。
抱けるかさえ分からないと知っていながら、それでもみさきを好きで一生他の女はいらないとまで言い切った。

「ソファに乗せるから暴れんなよ」って笑ってみさきを軽々と抱き上げた青峰にみさきが真っ赤になりながら「ありがとう」って言ってんのが聞こえた。

みさきの手当てを済ませて落ち着いたし、二人にしてやればいいと思ったから別に片付けなんてねぇけどそう言ってリビングを出たら、桃井と進藤も一緒に着いてきた。


「大ちゃんがあんな風にテキパキするなんて…」

「あたしがみさきに触ろうとしたのどうして止めたんですか?」

「あぁ…」


刺されたことは知ってるからPTSDのことを軽く説明すると納得してくれた
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp