第11章 NBA
sideさつき
「なんか大ちゃんが、みさき寝たから静かに帰ってこいだってー」
「あいつまた寝てんのかよ」
「てか、青峰さん大丈夫??みさきが青峰さんの事好きだって本人にバレたんでしょ?」
大ちゃんがみさきの気持ちを知った事を美緒に話して、大ちゃんが暴走しそうになったら止めようって話してた。
大ちゃんはみさきの過去の事は何も知らないはずだから、ここで大ちゃんが暴走したらみさきは大ちゃんを遠ざけちゃうかもしれない。
「それなら心配ねーよ。青峰はみさきに何かあったってことを察してるし割と近いとこまで勘づいてる。ハグはしまくってるけどそれ以上はしねぇと思うぜ」
「そっか…まぁ大ちゃんって好きな事に関してはすごい勘を発揮するもんね」
バスケもそうだった。勘だけを頼りにプレーしてても中高は負け無しで、NBAに入ってからは勘+スカウティングでより精度の高いバスケをするようになった。
「じゃあ火神さんさえ良ければゆっくり帰りません?試合で疲れただろうし少しだけみさきを独占させてあげるのどうかな??試合の後みさきを抱きしめて放した時すごい名残惜しそうだったし」
「「賛成」」
2人で会える時間がすっごく少ないから少しでも二人っきりにしてあげたいって思ってたから美緒の意見には大賛成。
明日の試合に差し支えない程度にドライブをしてもらいながら話してると、あの時の事をかがみんが謝り始めた。
「お前らにまで嘘つかせちまってごめんな」
「いいんです。みさきがまた傷ついて青峰さんのことも好きじゃなくなってしまうくらいなら、あたし達が嘘つくことぐらい別になんてことないです」
最後まで嘘をつきたくないって言ってたのは美緒だった。
みさきはあたし達に隠さず全部話してくれたのに、あたし達が嘘ついたって知ったら絶対悲しむからって最後まで反対した。
「悪りぃな。みさきが勘づいた様子とかあったか?」
「点滴してみどりんに送ってもらったときにデジャヴだって言ってたくらいで後は全く」
「そうか。薬の副作用も長引かなくてよかったしお前らがいて本当に助かった。ありがとな」
3人でこれからも本当のことはみさきが思い出さない限り隠し通すって誓い合って家に戻った。