• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


side青峰

第3Qを10点のリードで終えてベンチに戻った。

『よくやった』

俺が第3Qで出ることに最初は難色を示した監督も褒めてくれた。

『俺だけじゃねーよ』

俺にボールを回すために全員が走ってマークしてスクリーンかけてスペース作って、外れたときに備えてくれた。
だから俺は何の迷いもなくシュートを打ち続けることができた。

前の俺に決定的に欠落していた“信頼”。
そんなもん甘ったれだと思ってた。
一人で勝てる俺にそんなもん邪魔なだけだと思ってた

実際は違った。

信頼がなきゃプレーに迷いが出る。
人の努力を認めて信じることは本人の士気を上げて結果としてチームに返ってくる。
邪魔なのは慢心と油断

『第4Q行けるか』

『当たり前だ。ただ、もう俺にボールを集めるな。相手もそれを見越してマークしてくる。あっちはここで負ければファイナルの出場はねぇ。死に物狂いで来る。ラフプレーもねぇとは言い切れねぇからスペースを取れる外を使う』

SFをスクリーンのうまい奴に交代してPGも早い動きが得意な選手に交代してコートに戻る

『決めろよ』

『誰に言ってんだ』

試合再開と同時に俺に3人マークが付けられた。

そりゃそうだろうな。
順調だった作戦をそうそう簡単に変えるはずねぇと思ってんだから。
でもバスケは実力もそうだけど心理戦でもある。相手の気持ちを多角的に読むことで確実にウチのペースで進めることができる。

練習重ねて経験積んで、対戦相手のDVDを何十回、何百回と見ればチームや選手の方針、癖、行動が見えてくる。

勝つために絶対手は抜かねぇ。


完全に相手の作戦ミスだ。けど諦めてる訳じゃねぇって分かってるから手は抜かねぇ。

プロポーズした日の試合に負けたい奴なんていねぇし観客だって勝って欲しいと思ってるだろうけど、ここで情けをかけたって何の意味もない。

SGにボールを回して外からのポイントを稼いで、隙ができればセンターと俺も得点を稼ぐ

残り1分で15点差。
もう逆転はねぇ。

こうなると最後は観客の為にプレーをするからラフなバスケに変わる。

相手チームもそれを分かっていて諦めたって言ったら聞こえは悪いけど見に来てくれた観客を楽しませることだけにシフトしていく

/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp