第10章 wherever you are
side青峰
シカゴ行きの用意を終えてスマホをいじってると丁度電話が鳴って、出ると奥でさつきがなんか喚いてる。
間違い電話かと思って切ろうとしたら俺の一番聞きたい声が聞こえてきた。
「さつきばっかりズルいっ」ってガキみてぇにさつきに言ってるからそのまま聞くことにした。
ひと段落したら俺からかけりゃちゃんと話もできそうだと思った。
「なんでー?みさき大ちゃんの声なんて聞きたくないんでしょ?」
は?
俺のこと話してんのか?
つか、“なんて”ってなんだよ。腹立つな。
聞きたくないとか言われたらかけねぇけど、それ以外ならこっちからかけるつもりでみさきの返事を待ってると「聞きたい」って声がはっきり聞こえた
いや、可愛すぎだろ…
俺だってめちゃくちゃ声聞きたかったっつーの
やべぇ…ニヤける。
自分の顔がバカみてぇに緩んでる自覚はある。
さつきが確信犯でやったんだって気づいたけど、みさきは電話がつながってるなんて微塵も思ってねぇらしい。
みさきが電話口に出たのが音で分かって、まだ早朝の日本にいるみさきが敬語のあいさつをしてくれた。
いつもは冷静っぼい進藤が暴走してるらしく、みさきが絶対ぇ言わねぇようなことを言ったとか叫んでて、この間の電話とは別人だと思って笑いがこみ上げてきた。
嘘とか言ってないとか必死で弁解して可愛すぎていじめたくなった。
俺が電話を聞いてたことを言うとまた“違う”とか言って否定してくるのがみさきらしい。
声聞きたいんじゃないなんて言われたらすげー萎えるけど、今日はみさきの本心を先に聞いてたから正直に言わせてぇって加虐心に火が付いた。
聞きたくねぇなら切るっつー俺に、いつもより少しだけ甘えた様に聞こえる声で電話を続けようとしてくるのがめちゃくちゃ可愛い。
可愛くていじめたくて笑いがこみ上げてどうしようもなく楽しい。
NYで俺に抱き着いてくれた時、少しだけ自分に都合のいい解釈をしたけど、今も同じことを思った。
嫌いとは思われてねぇだろうし、少しずつでも俺に気持ちがむいてくれればいい。
みさきが寝るために電話を切ったけど、声を聞いたせいか早くみさきに会いたくなった。
みさきの甘い声が俺の全身を痺れさせて、今まで感じたことのねぇ感覚が身体中に広がっていく。
マジで可愛い。そんでなぜかエロい
