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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


そして今まで裏にいた選手が出てきてみんなで拍手を送って新しいカップルの誕生を祝った。

「こんなの見れちゃうなんてすごーい!!!」

「あたしもテツ君にしてほしいー♡」

「ホント幸せそうだね」

あたしの人生でこんな瞬間は来ないだろうけど、こうして人の幸せを見ることができたのはすごく嬉しかった。
知ってる人とか知らない人とかそんなことは関係なく、今この瞬間に心の底から幸せだと思える人が存在しているってことがキセキなんだと思う。

沢山の偶然や必然を積み重ねて幸せを手に入れる。それが一番簡単で難しいことなんだって思ってる。

『あなたも、こういう瞬間を迎えるときが必ず来るわ』

『え?』

『あなたは愛されてる。今日会ったばかりだけど分かるわ』

『どうして?』

『だって目がとてもきれいで、ちゃんと愛を知ってる人だから』

『ありがとう。そう言ってもらえて嬉しい。元気な赤ちゃん産んでね』

言わずにいられなかった。
あたしのことを知らない人にこんなことを言われたら“何が分かるの”って反発したくなるはずなのに彼女の言葉はすんなりとあたしに入ってきた。
それが本当の事だと錯覚するほどに、違和感なくあたしの心に届いた。

『家族以外誰にも言ってないのに…あなた魔法が使えるの?』

『違います。歩き方が…初めての妊娠なら5か月か6か月でしょ?』

『もうすぐ6か月よ』

『体冷やさないで』

持ってきたホッカイロを渡して座る彼女にひざ掛けをかけた。

『ありがとう。出がけにバタついて今日忘れたから寒くてこれで帰ろうか迷ったの』

『じゃあこれあげる。日本のブランケットでこっちのよりリーズナブルなのにすごく温かいしお洗濯も簡単なの。babyにも使えるからあげる』

『あなた寒くない?』

『隣の友達と使うから平気よ』


彼女とのおしゃべりがひと段落すると、第3Qが始まって青峰君は下がるのかと思ってたのに今日は出てる。

「お隣さんにブランケットをあげたから半分こしよ」

美緒にお願いするとびっくりしながら笑ってる。

「なんであげちゃったの?」

「天使だから」

「よく分かんないけど、半分こね」

そう言って美緒であったまったブランケットをあたしに掛けてくれた。
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