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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


第一Qが中盤になった頃あたしの隣の空席にすっごい美人でセクシーな人が座った。

気さくに『ハァイ』って言ってくれてあたしも挨拶を返した。

この人のさっきの歩き方…

その時は少し気になったけど試合も盛り上がってたし初対面だったから何もしないことにした

青峰君の試合はテレビで何度も見てたけど、生で見るのは全然違う。

コートを走り抜けるスピード、パスが通る音、ボールがネットを揺らす音、バッシュのスキール音。

全てを目と耳と肌で感じる。



第一Qを終えて選手がベンチに戻ると試合の緊張感が少しだけ和らいでお喋りをしてる人もいた。

あたしはベンチにいる青峰君をボケッと見てただけだった。


第2Qが始まってリードを許したものの最後はキャブスの背の高い選手がブザービーターで3Pを決めて3点ビハインドで折り返しになった。

ハーフタイムはチアリーダーたちが出てきて踊ってパフォーマンスを披露してくれるから観客の男性たちは大喜びだった。

あたしの隣の美女がキャブスのチアに手を振って楽しそうな笑顔を浮かべたから、この人もチアなんだと思った。

服の上からでも分かる程、女性としてはかなり筋肉質で引き締まっていたから、一般人だとは思ってなかったけどそういうことだったんだと納得した。

アップテンポだった曲が終わってバラード調の曲に切り替わったから、バスケの試合でこんな曲流れるんだと思っていたら、客席から一人の女性がコートに呼ばれた。

状況が呑み込めずキョロキョロと辺りを見回す彼女の前に相手チームの選手が大きな花束と小さなベルベットの箱を持って現れた。

もう何が起こるのかみんな分かっていて当然彼女も分かっている。

どこからともなくブライダルソングに合わせて手拍子が巻き起こって、あたしたちも一緒になって手をたたいて隣の女性とも顔を見合わせてにっこり笑った


『ずっと君だけを愛してる。結婚してほしい』
跪いてそう言った相手選手に、返事をする間も惜しむように抱き着いた彼女をしっかりと受け止めた。

静まり返った会場に『もちろんイエスよ』という彼女の綺麗な声が響いて大きな歓声と拍手が沸き起こって、音楽に合わせて両チームのチアが踊ってる。
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