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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 wherever you are


黄瀬は中学からモデルだったらしく、知り合った頃から常に黄瀬を追いかけ回す女たちがいて、練習試合のときですら体育館が女子で埋め尽くされた。

けど本人は、バスケしてる時だけはそういうのをめちゃくちゃ露骨にウザがってた。
モデルの俺のファンって存在はありがたいけど、バスケん時は海常が好きとか、せめて俺のプレーが好きとかで応援欲しいって言ってて、イケメンぶら下げてチャラついてるだけじゃねぇんだって分かってちょっと見る目も変わった。

しかもあいつのあのチャラついてるのは完全に作ってる。
見てくれだけで女に寄ってこられて、誰も中身なんか見ねぇってふてくされてたのかもしれねぇ。

本格的にモデルをやるようになってからも、俺と青峰が帰国して時間が合えば一緒にバスケをしてたから付き合ってる女の話は聞いてた。

女の話で口を開けば愚痴だった。
メンドクサイ、仕事中電話されるのホントうざい、束縛されんのマジ無理

だったら付き合わなきゃいいだろって言った俺に、あいつの返してきた「付き合えば俺の本性知って勝手に消えてくれる」って言葉は、ずっと恋人がいる奴とは思えねぇ孤独さを感じた。

だけどそれはある時を境にパッタリとなくなった。

美緒って名前をしょっちゅう口にして、初めて彼女ができた中学生みてぇにどこが可愛いなにが可愛いとずっと話してた。


多分進藤は、黄瀬をあの孤独から救い出せる唯一の存在だったんだと思う。


みさきからも黄瀬が進藤と付き合う前に少しだけ話を聞いていた。

「黄瀬さんがあたしの友達に手を出そうとしてて、黄瀬さんって彼女いても全然大事にしてないと思うから傷付けられそうでヤダ」

でもそれも変わった。

「黄瀬君って美緒が家に泊まったの知るとあたしにまでヤキモチ妬くんだよ。ほんとに困っちゃう」

“困る”なんて言いながらもみさきの声色は嬉しそうだった。


まぁ女友達の家に泊まってヤキモチは行き過ぎだけど、でも黄瀬がそんくれぇ進藤を好きなのは、進藤がちゃんと黄瀬の中身を好きでいるからで、黄瀬もそういう進藤の気持ちをちゃんと分かってるから大事にされてんだと思う。

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