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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


side青峰

食事を済ませて試合の用意をしてると、タオルが中指にひっかかる感じがして、何かで引っかかりを取ろうとしてた俺の爪をみさきが整えてくれた。

小さくて暖かいすべすべの手で俺の指を持ってヤスリをそっと動かされるとNYでマッサージをしてもらったことを思い出した。

時間はまだあるし、みさきに触られる口実が欲しい。
それにあれはすげぇ気持ちいしバスケ前にやると指の感覚が冴える。
CLに戻ってからも自分でやってたけど、手が温まって寒い時期の冷たいボールを持っても最初から指が思い通りに動く。

流石に試合中は冷たさなんて感じねぇけどアップ前なんかはこの時期結構寒みぃ


細い指と丁度いい力加減で俺の手の隅から隅までマッサージされてこのまま寝ちまいたくなる。

みさきの指が俺に絡められてぎゅっと握られると、これがマッサージじゃなきゃそのまま引き寄せて離せなくなりそうだ。

みさきは俺を好きなんて言いながら全然普段通りで、マッサージしてる今だって仕事してる時見てぇに真剣そのものだった。

俺がみさきの気持ちに気付かねぇのは全然普通のハズだけどなんでみさきは気付かねぇんだよ。
俺はみさき以外の女に触られんのはマジでヤダ。無理。
手だろうがどこだろうが関係なくヤダ

俺がこんな風に触らせてんのなんてみさきだけなんだから気づけよ…


マッサージを終えたみさきが立ち上がろうとするからすかさず礼を言うと、俺に向き直って「大したことできないけど…」とか言うからまた変なことを考えないように抱きしめた。

みさきに足りないのは自己肯定感だ
こんなにいい女なんだからもっと自信があったって全然いい。

みさきが行きたがってた軽井沢で俺の気持ちを伝えようと昨日決めた。

雰囲気を作りてぇとかじゃなくて、夜なら顔もぼんやりとしか見えねぇから本心が聞ける気がした。
それにもしその場で俺を受け入れてくれたら、みさきの好きな場所を俺も好きになれると思うからそうしたかった。

シーズンオフに行こうと誘ったら驚きながら「行ってくれるの」とか言うからチケットを用意した口実を使ってみさきを納得させた。

してもらう時ばっか理由を欲しがるみさき。
けど俺がみさきにしてやれることなんてほとんどねぇ
俺がみさきといたいからそうしてるだけで、言い換えれば自分の為に付き合わせてるだけだ。
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