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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


side青峰

火神がみさきを女として好きならこの状況で思う事は多分すげぇ重くて暗いはずで、相手の男なんてめちゃくちゃ邪魔な存在なのに“ホッとしてる”“相手がイイヤツ”“嬉しくねぇ訳ねぇ”

これは俺がさつきがテツを好きになった時と付き合った時の感覚とほぼ同じだった

付き合った時ホッとした。
テツにグイグイいくさつきを見てんのは楽しかったしテツはいいヤツだから心配もしてなかった。
さつきの気持ちに応えられなくても中途半端なことをするような奴じゃねぇしなるようになると思って任せてた。

めちゃくちゃ時間はかかったけど「テツ君と付き合うことになったよ」って泣きながら電話をもらった時は俺もすげぇ嬉しかった。

俺とみさきの気持ちを知っていながら何もせずにいてくれた火神には感謝してる。
みさきの口から俺を好きだって聞けたのがめちゃくちゃ嬉しかった

だからあいつの気づいてないことを俺の視点から伝えた。

さつきは確かに巨乳だけど、あいつのを触りたいとか抱きたいとか思ったことは不思議となかった。
ただ一緒にいて楽で落ち着けた。

でもあの女を見た時何とも言えねぇ高揚感みたいなものを感じて、さつきへの気持ちは恋ってやつじゃねぇって気づいた

そしてずっと感じてなかった高揚感を次に感じたのはコーヒーがぶちまけられてみさきを引き寄せた時だった。

「お前どっから盗み聞きしてた?」

「人聞き悪リぃ言い方すんな。…“そんなに軽い存在じゃねー”ってとこから」

「事実だ。なぁ…母親ってどんな?」

「うちのお袋はとにかくうるせー。…けど、すげぇ感謝してる」

俺がNBAに入るためにアメリカに行きてぇって高2の時に言ったら親父は猛反対した。
「好きだけでやっていけるほど甘い世界じゃない。中学2年からの3年間サボってきたお前じゃ通用しない。あそこはバスケに人生全てをかけた人だけが行かれる場所だ。第一言葉だって話せない」
ボロクソ言って反対する親父をお袋が説得してくれたんだと思う。
残りの高校生活は英語のベンキョーとバスケだけをやってとにかく親父に認めさせたかった

あの時俺はバスケの為に全力でやった
そして今は好きな女を手に入れる為に全力を尽くしてる

本当に欲しいものを手に入れるのに近道なんてねぇんだ。
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