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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA



「絶対ぇ泣かすなよ。傷つけたら殺す」

そう言った火神の顔は笑ってたけど目は笑ってなかった。

みさきの母親と同じ目だった。

ナメたことしたら殴られるだけじゃ済まねぇな…
まぁしねぇけど。
付き合えばケンカの一つ二つはあって当然だろうけど、俺にとってみさきが何よりも大事だって思ってることがちゃんとみさきに伝わるように向き合っていく。

後は火神の本心だな…

火神がみさきの事を好きだって言いながら、俺に譲るって言われて以来ずっと違和感があった。

みさきと知り合って好きだと感じてから、誰かに譲るなんて思考は一切なかったし、時間がかかろうが振られようがいつか絶対みさきを振り向かせてやるって思ってた。
他の男のところにいかせることなんて絶対無理だった。

俺は高1の冬に見た女のことがあって、さつきに感じてたのは母親に感じるような安心感だったって気付いたけど、火神は母親とすげぇ小せぇうちに死別してるなら気づけなくても不思議はねぇ。

今日も思ったけどみさきはスポーツ選手と結婚すりゃ選手のサポート役としてはすげぇ優秀だと思う
まぁみさきは仕事大好きだから、うちのお袋みてぇに専業主婦ってのには向かねぇだろうけど、できる時はやってくれる気がする。

火神がこっちに戻った時にみさきが飯を作ってたなら、今日みたいに風呂だって用意してくれてたはずで、普通なら母親がするようなことをみさきがしてんのが火神にとっては普通だったんだろうと思ったら、火神がさっき言った通り火神がみさきに感じてんのは家族としての愛情だと確信した。

火神はみさきを家族としても当然好きだろうけど、近くにいた女が火神にとって必要なことを当然のようにしてくれる女だったから、それよりいいと思える女がいなくて好きなんだと勘違いしたってことだろ。

みさきも言ってた。

「大我はすっごい優しいから大我よりもいいと思う男の人はいなかったけど、大我と付き合いたいとかは思ったことない。やっぱ片割れって感じなの」


俺もさつきも火神も勘違いしたのにみさきだけはしなかった。
理由なんて分かんねぇけど、やっぱりみさきは自分をすげぇ客観視してるってことは分かった。
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