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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


みさきに廊下で会った時はすげぇ動揺して馬鹿みてぇな事を聞いちまったけど、やっと冷静になれたところに火神がドライヤーを持ってきたから話を聞いていた事を切り出した。

火神が来なくても俺から話に行くつもりだったしちょうど良かった。

別になにかしてもらおうなんて思っちゃいねぇけど、他のことを気にしたまま試合をして無様な姿を晒すのは避けたかったから、火神には確かめておきたかった。

みさきが俺を好きだと知っていながらとぼけてたこと
「大我がいなきゃ死んでた」って言葉の真意
そして何より、火神の気持ちを確かめておきたかった。
ずっとみさきを守ってきて、何よりも大事にしてきて、みさきを好きだと思ってる火神の本心を知りたかった。

俺の性格を知ってるから誤魔化したり隠したりはしねぇと踏んで、聞こうと思って整理したことを一つ一つ聞いていく。


みさきの言葉は大袈裟には感じなかったからこそ、あの言葉が気になって、みさきがもし死んでたらと思うとゾッとして“例え話だ”と否定して欲しくて確かめた。




だけど、火神から返ってきた言葉は俺の期待とは正反対で現実を思い知らされた。



「その言葉の通りだ。大袈裟でもものの例えでもなくその言葉の通りだ」
険しくて苦しそうな顔で声からも怒りが伝わる。

火神は優しすぎってくれぇ優しいから、怒るところを見たことなんて数えるくらいだったのに、みさきの過去に触れる時の火神はいつも怒りに満ちて苦しそうだった。
火神だって明後日は試合があんだから、あれこれ聞いて精神を乱すのは同業者としてできねぇし、聞いたところで過去を変えてやることはできねぇ

みさきが俺を好きだと思ってくれるなら、この先、みさきの思い描く人生を送れるように支えてやりてぇ。
過去は変えられねぇけど未来は努力次第でいくらでも切り開ける。

みさきはそれを分かってるだろうし、1人だって生きていける強さがあるかもしれねぇけど、泣きたくなる事も辛くなる事もあるはずだからその時に俺を頼って欲しい。

なんの迷いもなく飛び込めるほど単純じゃねぇって言われたけどそんなん分かってる。
単純な女ならとっくに俺が気持ちを伝えてる。

だから俺は頼れると思われる男になる。
俺には頼っても大丈夫なんだと思って貰えるように、みさきに相応しい人間になる。

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