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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心


みんなでのご飯以来全く休みが取れなくて、打合せとヘアメイクの仕事を必死にこなして、気づけば既に2週間が経っていた。


今日頑張れば2日間の休み。
大我も取材やらテレビ出演やらでほとんど家にいなかったから顔を合わせる時間はすごく少なかった。


朝スタジオに入ってから何となく頭が重くて、午後になってどんどん頭痛が酷くなって薬を飲むと徐々に良くなってきて、頭痛は治まったけど寝不足のせいかだるさは抜けない。

今日は雑誌の撮影だからOKが出るまで何度も撮影する。モデルさんが真夏なのに秋服を着て秋のメイクで次々とポーズをとっていく。


さすがに暑いのかモデルさんの顔色があまり良くないことに気付いてメイクを直させてほしいと撮影を止めた。

「大丈夫ですか?」

「ちょっと気持ち悪い」

「首に冷たいタオル充てるのでヒヤッとしますけどすみません」

「ねぇ…」

「はい」

「ありがとう」

「いえ…少し目を閉じて頂けますか?」

モデルさんの首を触る限り熱はなさそうだけどこのまま続行して大丈夫か心配になる
崩れないことで有名なファンデーションをつけているのにおでこの辺りが冷や汗で崩れている。

マネージャーを呼んで、熱中症の疑いを報告したけど今日撮り終えないと間に合わないということだったから急遽髪型の変更許可をもらった
髪を下しているだけでも首からの熱の発散が悪くなる。
できるだけモデルさんを休ませたくてゆっくりと髪をまとめた



「おーい!メイクさんまだー?」

「すみません。あと5分下さい」

メイクの遅れで現場を遅らせるなんて本当はあっちゃいけないけど…
体感温度を少しでも低くする為に冷感スプレーを頭皮や首に当てた。

「もう大丈夫。ありがと」


何とか撮り終えて今日はこれで終わりだというモデルさんのクレンジングをして、肩と首をマッサージすると心なしか血色が戻って安心した

肩ががちがちに凝っていたから血のめぐりも悪かったのだと思う

「ねぇ。メイクまたおねがいしてもいい?」

「もちろんです。ぜひよろしくお願いします」

部屋を出るモデルさんによければどうぞと電解質のタブレットを渡して見送った

今日のクライアントは雑誌社だったけど、モデルさんや女優さんに技術を気に入ってもらえれば個人的に呼んでもらえる


仕事を終えて片づけをして帰ると大我がいてほっとした
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