第4章 揺れる心
「おかえり」
「ん…ただいま」
出迎えてくれた大我が荷物を受け取ってくれたから渡すなり、あまりの頭痛のひどさにその場で座り込んでしまった。
「頭痛か」
あたしが頭痛持ちだと知っている大我は、玄関の照明を暗めに落としてくれて、こうしてても仕方ないからリビングに入るために立ち上がろうとすると大我が抱き上げてくれた。
「無理すんな」
ソファに降ろしてリビング全体を間接照明に切り替えて、薄暗い部屋にしてくれた
せっかく早く帰れて大我もいるのに、頭痛のせいで何も手に付かないし痛すぎで涙も出てくる。
「薬飲んだか?」
寝転がったままうなずくと大我が隣に座って膝に頭を乗せてこめかみを押してくれてる。
私の場合、頭が痛いときはこめかみを強く押すと少し痛みが和らぐ
普段は一人だから自分で押すけど、大我がいると何も言わなくても押してくれた。
大きな手で頭をつかんでもらうと気持ちよくて気分も落ち着いてくる。
指圧で痛みが和らいで寝不足の体は夢に入っていくのに逆らえない
少しのつもりで目を閉じたのに
目を覚ましたら夜中の12時になっていて、あたしは相変わらず大我の膝に頭を乗せてるから大我は座って寝てる。
「大我……ねぇ…起きて…大我」
「…ん~…」
起こしたけど大我も相当眠いのかまったく目を開けない。
しかも寝ぼけてるのかあたしの頭を撫でてくれる
眠い時、大きな手で頭を撫でられるのは心地よくて勝手にまた瞼が閉じてしまった。
そしてまぶしさを感じて次に目を開けると既に朝…
「ねぇっ‼‼朝!朝になってる‼‼」
「すげぇ腰いてーわ」
だよね…
ごめん…
伸びをしながら笑う大我が腰をさすってる。
「ごめん。すっかり寝ちゃった」
「もう頭痛大丈夫か?」
「うん。もう大丈夫。お風呂先入って」
「いや、お前先入ってゆっくり浸かってこい」
「じゃあお言葉に甘えて」
ゆっくりお風呂に入って寝室で着替えを用意していたら、この間の横浜でもらった香水が目に入って、休みだからと下着にワンプッシュすると、好みの香りがふわりとベッドルームに広がった。