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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 wherever you are


あたしが作った食事を残さずに全部食べてくれて「うまかった」って言ってもらえたから作ってよかった。

ママみたいにすっごく手の込んだお料理ができればよかったんだろうけどあたしはこれが精一杯だった。


食後にソファで休んで、青峰君から試合のチケットをもらうと、なんと航空券まで一緒に渡してくれて日頃の感謝とか言ってみんなでファーストクラスを用意してくれてた。

さつきや美緒は黄瀬くんと黒子君が彼氏だから日頃の感謝でもらってもいいのかもしれないけど、あたしは感謝してもらうようなことは何にもしてないから本当にもらっていいのか分からなかった。

黄瀬君はモデルさんだし、黒子君はあんな大人しそうな見た目で外資系商社の部長らしい。
あたしのイメージの部長って40代とか50代で若くても30代だって思ってたから、聞いた時はびっくりしすぎて言葉を失っちゃった。

黒子君は一度こうだと決めたら絶対に譲らない頑固者で、難しい商談でも自社に有利になるようにまとめるやり手らしいから本当にギャップしかない。

そんな忙しい二人の彼女だから、思うようにデートもできないことが多いらしくて近くに住んでても数週間会えないなんてザラ。


本当にあたしまで貰っていいのか念には念を入れて確認すると、ちゃんとそれに乗ってこいよって大きな手で頭を撫でて笑ってくれた。

青峰君の大きな手で撫でられるのも抱きしめられるのも堪らなく好きで、この先できるだろうこれを独占できる人が羨ましい。

幸せになってほしいと思う気持ちは嘘じゃないけど、青峰君に彼女ができるのはすごく嫌だと思う酷い矛盾があたしの中をドロドロとした醜い感情で覆いつくしていく。

ソファでくつろぐ青峰君を見てるといつか誰かのところにいってしまうなら、あたしの気持ちを知られてしまっても別にいいのかもしれないと思えてくる。

そして青峰君の方から距離を取ってくれれば、すぐにまた遠い存在になって、忘れることはなくても連絡を取らないことが当たり前になって少しづつ自分の中から薄れていくんじゃないかってズルい考えが顔を出す。

好きすぎて辛いと思うなら自分から離れればいいのにそれもできない。

どうしようもなく好きで苦しくなる。
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