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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


「みさき寝た?」

ソファで寝転がり始めたと思ったらあっという間に静かになって寝息を立てるみさきにはうっすらとクマができてる。

「寝てる寝てる」

眠りの深さを確かめるために美緒の細長い指がみさきの頬をつついた。

つんつん

……

つんつんつん

……


「爆睡してる。みさきってこんな華奢なのに涼太以上に働いてるせいかちょっと目離すとすぐ寝ちゃうよね」

「確かに。みさきって仕事してる時はすごく自信に満ち溢れてるのにプライベートだとすごい自己評価低いよね…」

「前にそんなに仕事しなくてもいいんじゃないの?って聞いたら“暇を作ると自分の存在価値が分からなくなる”って言っててその時は変わってるなって思っただけだったけど、きっとあの事が原因なんだよね」

「あんなことがなければみさきはきーちゃんとも大ちゃんとももっと早く知り合ってたのかなって思うと一つの出来事が全て変えちゃうこともあるんだなって痛感した」

「そうだね。でもさ、悪いこともそうだけどいいこともそうじゃない?」

「どういうこと?」

「あの出来事はみさきから日本での高校生活を根こそぎ奪って、恋愛に対する恐怖を植え付けたけど、青峰さんと知り合って好きになって照れたり恥ずかしがったりしながら初恋を楽しんでるのかなって思ったら青峰さんとみさきが出会ったこともみさきにとって大きな出来事なんじゃないかな。人よりも少し遅いかもしれないけどちゃんと人を好きになれたってことがみさきにとってすごく大きいと思う」

「確かにそうかも。まぁ初恋が大ちゃんなんて勿体なさすぎだけど」

「あのねぇ…(笑)てかみさきはさつきが桐皇だって知ってるの?」

「言ってなかったけどハロウィンで制服見せて聞かれたら言おうと思ってたのに制服見ても全然気づいてないっぽかったから言ってないの」

「みさきが桐皇行ってたらどうなってたんだろうね」

「これ、今だから言うしすっごい不思議な感じだから信じられないかもしれないんだけど、あたし初めてみさきを見た時に“この子大ちゃんと結婚しそう”って思ったの。だからみさきが桐皇に来てたらきっと付き合ってたんじゃないかな」

「何それ!そんな感覚初めて聞いた。自分が結婚しそうとかならよく聞くけどさ」
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