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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side青峰

「あ、大ちゃーん?チケットありがとう」

「おー。フライトはテツだけどな。」

「知ってるー!テツ君今出張でいないんだけど、何にも言ってなかったからびっくりしちゃった。やっぱテツ君ってかっこいいよねぇ♡」

「あーはいはい。テツどこ行ってんの?」

「フランスだよ。向こうで新しく立ち上げられたコスメブランドの輸入の交渉に行ったの」

「へー。まぁ帰ってきたら会いに行けよ。忙しくてお前と会えねぇとか言ってふてくされてたぜ」

「えー♡もうテツ君が帰ってきたらすぐに会いに行く」

中学から好きだったテツとさつきが付き合い始めたのは25歳になった時だった。
さつきは何人か付き合った奴がいたけど、テツが忘れられなかったせいかいつもすぐに別れては俺に連絡がきた。
「やっぱりテツ君じゃなきゃヤダ」って毎回泣く癖に、振られるのが怖いっつって告りもせず、忘れるために赤司の結婚式まで連絡すら取ってなかったらしい。

赤司の結婚式で再会して、やっぱり諦められねぇとか言ってちょくちょく連絡を取ってるうちにテツがさつきの一途さに惚れて、テツから告って付き合い始めた。

「大ちゃん。あたしテツ君と付き合うことになったよ」って泣きながら電話をかけてきたとき“やっとか。よかったな”ってすげぇホッとしてあいつのお守りもここまでだって思った。
ガキの頃から一緒にいたさつきは、他の女とは違って特別な存在ではあるからやっぱ幸せでいてほしいと思う。

みさきに対しての特別とは全然別物だけど、どうでもいいとは思えなかった。

「あーはいはい」

「あ、大ちゃんフォーシーズンズでみさきと何してたの?」

「はぁ!?別に何もしてねーよ」

なんで今それ聞いてくんだよ…こっちは死ぬほど我慢して理性保ってやっと落ち着いてきたとこだっつーの。

「みさきのご飯どうだった?」

「ちょっと!さつき‼何言ってんの!?」ってみさきの声が聞こえた。

「すげぇ旨かった。お前もみさきに教わった方がいいんじゃねぇの?」

「失礼な。お料理教室通うもん」

「ちょっともう返して」とか言ってみさきがさつきからスマホを取り上げようとしてるらしい。

スピーカーが切られて電話口でさつきが話し続けてる。


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