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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


大我との電話を切ったあたしをさつきと美緒がニタニタ顔で見てる。

「な…何!?」

「大ちゃんって冬痩せちゃうんだ?」

「護身術とオセロだけでどうしてそんなことが知れたの?」

この2人…絶対分かってて言ってる。

「オセロしながら話したんだもん」
嘘だけど


「ふーん。本当はご飯作ってあげたんじゃないの?」

「もう!なんでそこにこだわるの!?」

「だって男をつかむならまず胃袋を掴めって言うでしょ?」

「The way to a man’s heart is through his stomachのこと?」

「え?なに言ってるか全然分かんない(笑)日本のことわざってか言伝えみたいなものだよ」

アメリカの諺だと思ってたけど日本にも同じようなことわざがあるんだってびっくりした。

それに作った時はそんなこと少しも考えてなかった。
青峰君に作ってって言われなければ作るつもりは全くなかった

「で、胃袋つかめた?」

「全然掴めてないに決まってるじゃん。だって前の日のご飯JGだよ?」

「ってことは作ったってことね」

またやられた。
この誘導尋問で2対1ってあたしめちゃくちゃ不利じゃん!

「んー…作ったことには作ったけど全然普通の食事だよ」

「おいしかったって?」

「素材はすごくいい物だったから全部食べてくれた」

「それは美味しかったってことだよ。大ちゃんわがままだから美味しくないとすぐ残すもん」

“旨かった”とは言ってくれたけどそれは素材がよかったから美味しいって思ってくれたんだと思う。

「さつき…それはわがままなんじゃなくて身を守ってるの」

美緒が切実な顔で訴えてる。

「美緒失礼すぎー!(笑)でもこれから練習していつかテツ君においしいって言ってもらえるように頑張るもん。二人とも試食してね!」

「「ごめん…試食はできないかも…」」

珍しくあたしと美緒の声が重なる。

「ちょっとそれどういう意味!?」

「えへへ。ごめんごめん」

「みさき、笑って誤魔化すと後で大変だよ」

「美緒‼美緒があたしたちの前で惚気てるってきーちゃんにバラすよ」

「それは絶っ対やめて!もう言わないから」

「もう早く大ちゃんに電話してお礼しよ」

お互いの弱いところをつつき合って3人で大笑いしてすごく楽しい。
失恋してもこの2人がいればきっとあたしは大丈夫
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