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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side火神

「黄瀬が俺たちの前で自分の女を褒めたり惚気たりしてんのなんて初めてだったからどんな奴なのか気になってはいたけどなんか納得だわ」

「あはは!そう言ってもらえると嬉しいです。あの、本当にありがとうございます。それにご自宅にも泊めて頂けるって聞きましたけど本当にいいんですか?」

「いいって。ホテルより家のほうが自由がきくし安全だ。黄瀬にも安全第一とか言われたから。あいつによろしくな」

「すみませんがお世話になります」

スピーカーを切ってみさきが話しかけてきた。

「ホントありがとね。泊まった時食べたい物とかあったらあたし作るから言ってね」

「久しぶりにお前のメシ食えるの楽しみだわ」

「何それ。そんな大したもの作れないけど、リクエストあったら練習しておく」

みさきはいつもそうだ。俺がこれがいいって言うと必ず作ってくれるしそれで足りない栄養素はプラスしてメニューに加えてくれる。
減量したい時も増量したい時もそれに合わせた食事を当たり前のように用意してくれてたけど一人でシカゴに来て自分で作るようになってそれがいかに大変だったか思い知った。

「今は体重は減らしたくねぇから維持できる食事なら何でもいい。せっかく遊びに来るんだから楽しめ」

「大我も冬痩せちゃう?」

「ちゃんと食わねぇと痩せちまうな。つーか“俺も”ってなんだよ?」

「なんか青峰君もそうらしいの」

「まーたあいつか。ホント好きだな(笑)」

「なっ!そういうこと言うのやめてよね!青峰君にバラしたら相田さんみたいに大我のご飯だけサプリメント入れちゃうからね」

「いや、それ俺試合出れなくなっちまうからマジでヤメロ。それに心配しなくてもバラさねぇよ」

気付いてねぇのはお前らだけだけどな。
桃井も進藤も俺も黄瀬も黒子も緑間も紫原も赤司もみーんなお前らが両想いだなんて知ってる。

面白すぎるお前らを間近で見られる特権をミスミス手放すわけねぇだろ。

「絶対だからね。口滑らせないでよ」

「バーカ!お前じゃねぇんだよ」

みさきは青峰の前でも何度も口を滑らせて自爆してるらしい。
そしてそれが簡単に想像できるから笑える

「もう!じゃあね。試合頑張ってね」

「おー。じゃあな。気をつけて来いよ。空港までは迎えに行くから連絡しろよ」

「うん。楽しみにしてるね」

楽しみなのは俺の方だ。
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