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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心



「…今でも恋愛をしたくない気持ちは変わらないの。でも青峰さんのことが頭から離れない…」


整理せずに話し出したせいで次の言葉を紡げない


「みさき、一気に話そうとしなくていい。話したいことだけ話せることだけ話せ」

そう言われて肩の力が抜けて、ずっと気になっていたことを聞いてみた。

「ねぇ、あたしが青峰さんの事気にしてるっていつ気付いた?」

「最初から。お前と青峰が初めて式場で会話したときから」


「そっか。鋭すぎ…」

「お前が分かりやすすぎなんだよ」


隠してたのが無意味だったのに気づいて脱力して笑うと大我も笑ってくれた





「あのね、あたし…会わなかったら恋愛しない元の自分に戻れると思ってた。でも会いたくて…頭から離れなかった。でも仕事してる時だけはいつもの自分に戻れたの」


会ったのは2回だけど前に買った雑誌に載っててそれを何度も見てしまっていた。

会った時はもっと優しい目だったとか笑ってたとかそんなことを考えては会いたくなった


「好きになっちゃいけないって思うのに…一目惚れなんて…ダメなのに」


「なぁ、喋っていいか?」

「…うん」


あたしのとりとめもない話を大我は黙って聞いてくれて途切れたときに話しかけてくれた。

「青峰は悪い奴じゃない。あいつとは全然違う。なんでも聞いてやるから怖いと思ってること全部吐き出してみろ」

大我に促されて頭の中を整理しながら自分の気持ちを少しづつ言葉にしていく

あいつが言った
思い通りにならないならこうするしかないって言葉

あいつと一緒にいた人が言った
証拠がなきゃ誰も信じないって言葉

あいつの父親が言った
息子の将来を奪ったって言葉

あいつの母親が言った
あなたが悪いって言葉

世間の言った
美人局って言葉

そして何よりも
好意が一瞬にして悪意や憎悪に変わったこと


「それで全部か?」

「今は…これで全部かな…」

「恐怖の対象は青峰じゃねーだろ?さっきも言ったけど恋愛は誰とするかなんだよ
お前の怖いって気持ちも分からなくねぇし怖がるななんて言えねぇ。それでも幸せになることを自分から手放すな。好きだと思ったらそれでいいんだ。恋愛しちゃいけない人間なんていねーよ。…それに一目惚れだろうが何だろうがそこからどうしていくかは人それぞれだろ?」




言葉は魔法なのかもしれない
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